『ガリレオ』第三章 騒霊(さわ)ぐ

 珍しく湯川のほうから“相談がある”と内海を呼び出したのは、学生のひとりの姉・弥生から、夫が忽然と行方をくらましており、探して欲しいと頼まれたが故だった。弥生は夫が最後に立ち寄ったと思しい家に向かうが、そこでは毎夜のように不審な出来事が続いていた。事件性の確証が得られないまま、状況に流されるように内海は捜査を始めるが、警察を動かすことは出来ず、単独で調べるのには自ずと限界がある……

 法的根拠がないのに捜査はできないだろ、とか内海さんそれは不法侵入だろ、とか突っこみたくなりますが、このあたりは不備ではなく、現実を踏まえたユーモアと解釈してもいいでしょう。警察は身動きが取れないし、不法侵入も結局内海が単独で、止むに止まれず行ったこととなっている。

 ともあれ、今回はポルターガイスト篇。こんな現象を起こす要因は限られているので、流れは予想がつくのですが、しかし理屈に沿って丹念に真相を探り当てていく筋書きはきちんと正統的探偵ものの線をなぞっていて好感が持てます。特に謎解き部分の展開は圧巻。仕掛けが解っているのだからそれを活かさない手はありません。

 最後に発見された屍体が少し綺麗すぎるのが引っ掛かりましたが、その辺は本筋には絡まないことなのでドラマの嘘と許してもいいでしょう。原作読者には柴咲コウ演じる内海の存在が引っ掛かって仕方ないようですが、持ってても未読の私には何ら問題なし。

 しかし本筋よりも今回は、失踪した男の話をしていて感情的になる真矢みきがツボに嵌りました。

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