『逆境無頼カイジ』Bet.12 転落

 ビルのあいだに架けられた鉄骨を渡る――ただそれだけの、だが人を生死不問の競走馬扱いするゲーム。レースも終盤を過ぎて、ようやくその真理を悟った開司は、前を行く男の背に手を伸ばす。だが――それでも開司は押すことを止めた。結局、前後を行くふたりの男達もろとも鉄骨に手を突いて失格となった開司は、地下の控え室で、しかし自らの決断に対する迷いでなおも揺れ続ける。やがてすべてのレースが終了し、賞金の引き渡しとなる、かと思いきや、開司たちが導かれた先には――あの男が待っていた。

 ここからが本番。最初のレースはあくまで、『アカギ』でも見せた、本当のカタルシスへの布石という奴だったようです。まあ、正直あの内容ではルールが単純すぎて、“限定ジャンケン”編のような牽引力を感じなかったので、このくらいでないと。

 で、久々に登場したあの人が長広舌を振るったわけですが……台詞が長くなると途端に声を担当している方の滑舌の悪さが際立ちます。雰囲気は合っているのですけれど、もーちょっと慎重にやってくれんもんでしょうか。

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