第22回東京国際映画祭コンペティション参加作品『NYスタテンアイランド物語』監督によるQ&Aつき上映。

 昨日に続き、今日も東京国際映画祭参加作品を鑑賞するため六本木へ。観たい作品は多々あれど、色々な都合からチケットを確保しているのは今日、この作品が最後です。

 朝一番、という時間が災いしてか、ここではいちばん大きなスクリーンを使っているとはいえ、埋まっている座席は1/4ぐらい。まあ、いい役者を使っているとはいえ、名前で観客を呼べるようなタイプではないので仕方のないところでしょうか。作品は、『交渉人』などの脚本家ジェームズ・デモナコが自らの故郷をユーモラスに残酷に、ちょっと切なく描き出したクライム・コメディ『NYスタテンアイランド物語』(日本配給未定)

ジェームズ・デモナコ監督(右)。 ある事件を3つの視点で描いたクライム・サスペンス――というより、ゆるい笑いを誘うコメディという感じ。しかもその笑いが情けなく、妙に切ないので、残酷だし緊張感があるにも拘わらず、全体の手触りは柔らかい。奇妙な味わいが快い秀作でした。

 上映後は監督ジェームズ・デモナコによる質疑応答。昨日と客層が微妙に違うのか、なんとなく素直な質問が多い印象でしたが、監督は逐一丁寧に答えてました。

 特に印象的だったのは、製作にリュック・ベッソンが名前を連ねていた理由を問われたときの返事です。実は当初この作品は別の出資者がついていたのですが、完成作ではイーサン・ホークが演じている役をブルース・ウィリスにしたい、と言われ、調整がつかず膠着状態に陥っていた。が、そんなとき、リュック・ベッソンが脚本を読むなりすぐに出資を約束してくれたとのこと。更に、「別にブルース・ウィリス要らんのと違う?(意訳)」と言ってくれたお陰で、完成作の配役になったんだとか。金は出すけど口出しはしない、という姿勢を貫いて、監督が思い描いた通りに作らせてくれたことに感謝している、とも仰言ってました。

 最後に、今後は監督も手懸ける方向へとシフトしていくのか、という問いに、監督は「これまでいい監督と仕事をさせてもらったが、現場に行くと自分の想定していたのと違う解釈で撮られているのを何度も目撃して胸を痛めていた。今後は監督も兼任する」とはっきり宣言。場内からは暖かい拍手が湧きました。

 鑑賞後は日比谷まで赴き、昨日から始まった大つけ麺博なるイベントで昼食を摂ってきました。週替わりで毎週8店舗ずつが出店、都合3週間に亘って多種多様なつけ麺が味わえるというもの。行ってみたら当然のように大盛況で、ふたつも3つも試すのは不可能ゆえ、公式サイトを見て最初に気になった桃天花の、坦々スープをベースにしたものを試してみました。辛味が縮れ麺によく絡んで美味しい……のはいいんですが、イベント専用の使い捨ての器が小さめのせいか、分量がちょっと足りないのが残念。でもなかなか面白いので、会期中に日比谷を通る機会があったら、また試してみようと思います。

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