レンタルDVD鑑賞日記その79。

BONES Season1』は観終わり、第2シリーズはテレビ放映を録画した分で追々フォローすることが出来るので、レンタルではまた違う作品を借りてみることにしました。そこで選んだのが、リドリー&トニー・スコット兄弟が製作総指揮を務めた、天才数学者とその兄のFBI捜査官が難事件に挑むシリーズ。前に別のドラマ作品に1話だけ同梱されているのを試しに鑑賞してみたらなかなか面白そうだったので、とりあえずこれを押さえてみます。

    • 第1話『数字がすべて』

 連続レイプ犯が遂に被害者を手にかけた。ドン・エプス捜査官は弟である数学者チャールズの協力を得て、犯行パターンから犯人の所在を探り出そうとする……

 第1話は“数学者の捜査協力”という要素からストレートに想像できるスタイルでのエピソード。但し、どんな公式を用いて割り出しているか、という話になると専門的すぎるので、方程式が何故うまく犯人を導き出せないのか、理論と現実との乖離に悩み、折り合いをつけていく姿でドラマを構築しています。このスタイルはあとのエピソードでも基本的には通底しており、まさに理想的な第1話です。

 私が最近観てきた海外ドラマと較べると、中心となる数学者とその親しい人物以外についてはあまりキャラクターを掘り下げようとしている気配がなく、ちょっと素っ気なく映りますが、その分事件を追う過程のスリル、サスペンスに重点を置いている。ちゃんと銃撃戦があったり、アクションにも力を割いているのがいかにもスコット兄弟らしい。

    • 第2話『銀行強盗集団』

 やたらとフレンドリーで紳士的な強盗二人組が、界隈の銀行を立て続けに襲撃していた。チャールズは彼らの犯行パターンから次の襲撃場所を測定し、ドンたちFBI捜査官は待ち伏せを敢行する。見事に犯人たちは現れたが、実は犯人は更に多くの仲間を周囲に潜ませていた。警官にも民間人にも負傷者が出たことに、チャールズは苦悩する……

 1話目以上にアクションが多く非常に緊迫したエピソード。犯行メンバーが増え、観測者の存在がデータに影響を及ぼすというジレンマを事件の中にも見出してしまったことで悩む、という如何にも学者らしい苦悩を扱っています。そういうポイントからすると決着の成り行きは必然的――なのですが、ある程度事情を知っていたことを思うと、関係者の反応はちょっと不自然ではなかったか、という気が。

 とても1時間ドラマとは思えない幅があるのですが、その分だけちょっと性急になってしまったように思えます。

    • 第3話『謎のウイルス』

 各所で同時多発的に確認された、謎の感染症患者。バイオテロの可能性を疑った疾病管理センターはFBIに協力を求めるが、全員に明白な共通点がないために、感染ルートの特定が出来ない。チャールズも協力するが、感染症スペイン風邪だと判明したことで、思わぬ事態に発展する……

 スタイルは第2話と極めて近い、但し今回は相手が相手なので、ドンパチはありません。事件の背景もあって、第2話の変奏曲のような趣があります。今回はちょっとした犯人捜しのような趣向もあるのですが、ある理由から探り当てるのが非常に容易だったのが残念。

 それにしても、ここまで観て感じたのは、このシリーズはテレビドラマとしては舞台に拡がりがあって、製作総指揮のふたりの作風を感じさせるスタイリッシュな映像も相俟って、なんだか映画っぽい手触りです。それ故に、とりあえず3話まではなかなか見応えがあったんですが、如何せんチャールズが具体的にどんな方程式を描いているのか、という部分に踏み込めない分、その周辺のアイディアやどんでん返しにしか見せ場が作れませんから、今後観続けて面白いかどうかはまだちょっと確証が持てません。まあ、それでもあと2枚ぐらいは鑑賞するつもりでおります。

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