裁くのは俺だ! みたいな?

 もうけっこう前から、今日観る作品は決まっていました。必然的に、豊洲を訪れることになるのも。ただ、その後得た情報を考慮した結果、ハシゴしておいたほうがいい、という判断になったので、朝は映画感想を仕上げたりして時間を潰し、夕方から出かけました。天気予報では夕方以降、雨の不安があったため、早めに割り切って電車にて移動。

 まず最初に鑑賞したのが当初のお目当て。ケン・ブルーウンの小説をジェイソン・ステイサム主演にて映画化したブリッツ』(Showgate配給)

 ステイサム主演と聞くと派手なアクションを期待してしまいますが、これはハードボイルド・タッチの刑事物、と言ったほうがいい。凶暴ゆえに刑事が天職と言い切る男と、ゲイを公言する変わり種の刑事が、型破りな連続警官殺人犯に挑む、という表現だとミステリっぽいですが、謎解きの興趣は乏しい代わりに、意外なひねりがあってなかなか唸らされるプロットです。ただそれでも、いささか視点が入り乱れすぎてガチャガチャしているのと、やっぱりステイサム主演、と聞いて期待するものとの食い違いが大きいことで損をしている印象。でも、語り口やテンポがけっこう魅力的で、私は好き――私がJ・ステイサム贔屓だということを差し引いても。むしろ今回はゲイの刑事のほうが魅力的でした、キャラクターとして。

 劇場の入っているららぽーと豊洲内をうろうろして時間を潰したのちに鑑賞した2本目は、1991年制作の日本映画12人の優しい日本人』(アルゴ・プロジェクト配給)

 なんでこんなのをやっているのかというと、この時期ユナイテッド・シネマ豊洲ではよくリヴァイヴァル上映企画を立てているのですが、今年は三谷幸喜監督最新作『ステキな金縛り』が公開されるのに合わせて、ユナイテッド・シネマのセレクションと同時に『三谷幸喜が選ぶステキな“シネマセレクション”と題し、三谷監督が選んだ5作品が5週にわたり上映されているのです。その中で唯一三谷監督自身が関与した作品であり、前々から観たかったこれは、是が非でも押さえておきたかった。しかし、今週は午前十時の映画祭が赤・青両方とも観ておきたい作品で、平日に予定に組み込むのはちょっときつい。どう考えても、『ブリッツ』のついでに観ておくのがいちばん手っ取り早かったのです。

 予備知識として『十二人の怒れる男』を意識している、というのは解ってましたが、まさかこんなにたくさん意識した部分があるとは思いませんでした。セットから議論の流れ、役割分担に至るまで、細部に『〜怒れる男』の影響が窺える。それでいて、完成されたキャラクターがそれぞれ日本人らしさに充ち満ちてますし、事件を巡る議論はちゃんとミステリとして成り立っている。個人的に、これまでに鑑賞した三谷幸喜絡みの映画ではいちばん好きかも知れません。そして、予め『十二人の怒れる男』を観ておくともっと面白い。

 空き時間にうろうろしているあいだに、久々に物欲を刺激され、あれこれ購入したくなりましたが、諸々我慢してまっすぐ帰宅。警戒していたのに、どうも移動中はほとんど雨に降られなかったようですが……まあ、いいの。明日は確実に自転車なんだし。

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