土屋隆夫氏、逝去。

 14日に心不全で亡くなったそうです。たぶんミステリ関係者がツイッターで話題にしていたことと思いますが、ここ数日ツイッターにはアクセスしていなかったために、今朝、新聞の訃報欄で初めて知りました。

 私がミステリを読み始めたころ、戦後から本格推理を書き続けている作家はもう3人しかいない、と言われていました。鮎川哲也高木彬光、そして土屋隆夫、の三氏です――のちの研究で実際には他にも書かれていた、と論じられるようになりましたが、ミステリとイコールで作家活動を語ることが出来たのはこの三方がすべてだったと思います。

 そういう話を聞いてほどなく高木彬光氏が亡くなり、鮎川哲也氏は健在だったものの噂されていた新作を書き上げることなく世を去りました。そんななかで、作品数は少なく、また鮎川氏のように後進の発掘育成といった活動には携わらなかったものの、ごく最近まで新作を発表しつづけていた土屋隆夫氏の存在は、非常に頼もしく感じられたものです。

 享年94歳。ご冥福をお祈りします。……けっこう本気でショックを受けてます、私。

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