新耳袋トークライブ99 百物語。

新耳袋99看板。 そして日付が変わって、新耳袋トークライブ98です。

 遂にこの日が来ました。オールナイトで行われる怪談イベントとしてはたぶん空前のロングランを続けている新耳袋トークライブ、記念すべき99回目です。参加者に対するアンケートの結果を踏まえ、3桁到達直前のこの回に、長年封印してきた百物語が行われることになりました。

 ……と大上段で言及してみましたが、しかし今まで以上にあんまり詳細に触れられない。というのも、実はこのイベントでは、私が参加するようになるより以前、いちどだけ百物語を実施したことがあったのですが、語られたことは基本的にネットに上げてはいけない、というトークライブでも一貫しているルールを破るひとがいたそうで、以来封印されていたのです。しかし100回を間近に控え、参加者の9割以上がリピーターというこの状況なら禁忌が破られることはあるまい、と予めアンケートや専用の青いTシャツの製作・販売を行い、観客にも登壇して語って貰うため、周到に準備を重ねたうえで臨んだわけです。

 かくいう私も直前にネタを仕込んで……おこうとしたんですが、そもそもあんまりひとに逢う機会が少ないうえ、せっかくの打ち合わせのときにも聞き損ねたり、でストックは集まらず。いちおう持ちネタはあるので、それを整えるだけに留めました……心許なかったけど。

 12時間も尺を取ったものの、しかし実はこれでも休憩などを考慮すると1話あたり5分程度しかなく、けっこうタイト。それ故に、宣伝も開演前、ロフトプラスワンのスタッフが注文をこなしているあいだに済ませる、という具合にしたり、いつもと違う対処をして、本番前もいつもと違う雰囲気。

 約束通り、本番についての詳細は記しませんが……出来れば、話者は入場のときに申請する、とかもう一工夫欲しかったです。というのも、私もいちおーネタを持ってきたのに、気づいてもらえず登壇出来なかったのです。話をしたひとはTシャツに木原氏がナンバー入りでサインをしてくれるので、後半のナンバーに狙いをつけていたことと、いつもと異なる背凭れのある座席を取ったところ、どうやら死角になってしまってどう手を上げても木原氏に見えなかったことが原因と思われる。ネタの内容的にも出来れば後ろのほうで話したい(出来の善し悪しではなくて性質的な理由で)、なんてことを考えて、まだ参加者にためらいのあった前半に躊躇したのもいけなかった。でも、予めネタを持っているひとを洗い出し、多かった場合は抽選にして話して貰う、とかすれば、もーちょっと手際よく、後悔もなく進んだ気はします。

 あと、危惧していたことではありますが、やっぱり内容のムラが激しい。登壇したひとの多くは常連客ではありましたが、それでも客観的に聴くと、怪談として扱うには難の多い話がほとんどなのです。木原氏は幼少の頃から怪談蒐集に勤しんできた、ある意味職人みたいなひとですから、その都度問題点を細やかに指摘されるのが一種の怪談講座めいた趣にはなってましたが、お陰で随所でよけいな時間を取っていた感も。

 とはいえ、もともと怪談から脱線することもしばしばだった新耳袋トークライブと比べると、出来の善し悪しはさておき、12時間みっちり怪談尽くしだったので、堪能いたしました。何より、そういう内容のムラがあること、話者が多数であるからこその意表を突いた話が聞けるのもこのスタイルならでは。最終的に終わったのは7時半、実に1時間半も延長する羽目になり、出たときにはこれまでになく疲れ果ててましたが、しかし楽しかった。

 今回、禁忌が破られることがなければ、また開催されるかも知れません。そのときはもう一度参加してみたいです……また挙手制なら、早めに思い切らないとなー。

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