6年目の“午前十時の映画祭”スタート。

 いま改めてスクリーンで観たい映画をセレクトして、定期的にプログラムを入れ替えつつ1年間ぶっ通しで上映する、という企画“午前十時の映画祭”、初期3年はフィルムを用い、2年前からはデジタルに移行して継続していますが、先週土曜日より通算6年目となる『第三回新・午前十時の映画祭』がスタートしました。今年もコンプリートを目指して通い詰めるつもりです。

 もはやお馴染みとなったTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今年度の1本目は、英米での成績はふるわなかったものの日本では大ヒット、幼い恋のファンタジーを描いた作品として根強い支持を集めている小さな恋のメロディ』(ヘラルド公開当時配給)

 有名なタイトルですが例によって初鑑賞です。率直に言えば、重要な出来事における感情の推移が唐突すぎて全体の説得力はいまいちなんですが、ただそれ以上に“恋のファンタジー”として観ていて気分がいい。特に終盤、子供たちが思いっきり大人を翻弄する様は、色んな意味で「それでうまく行くか?」という疑問を覚えつつも痛快な気分になります。これが日本でだけ支持されたのには、時代背景も手伝っていたようですが、定着したあとで愛され続けているのも納得。

 ちなみにこの午前十時の映画祭、フィルム時代は貴重なフィルムを持ち回りで上映、デジタル移行後は上映館を3つのグループに分けて、順序は同じでも起点をずらして掛かる作品が被らないようにしていたのですが、今年は少し方式が変わり、グループは2つに、掛かる作品は2作品をセットとして、たとえば日本橋を含むグループBでは現在『小さな恋のメロディ』が一斉に上映されていますが、楽天地シネマズ錦糸町などのグループAでは『リトル・ダンサー』を上映している。以前は次のコマになると、たとえばBグループの日本橋では『カサブランカ』がかかってグループAでは『ローマの休日』が、という具合にまったく違う作品に繋がっていったのですが、今年の場合、4月18日からの次のコマでは、日本橋にて『リトル・ダンサー』がかかり、錦糸町で『小さな恋のメロディ』がかかる、というかたちになってます。

 恐らく、都市ごとに上映作品が異なってしまい、Twitterなどを用いた反響のリレーがうまく繋がらない、という点に配慮した工夫だと思われます。そこは納得がいくのですが、ただけっこう厄介なのが、以前のシステムであれば、たとえばふだん行く劇場で1作品見落としたとしても、近場にある別の劇場でのちのち上映されるときにフォローする、ということが出来なくなってしまったこと。コンプリートを志す者にとってスケジュールがタイトになったこともそうですが、この映画祭であの作品がかかる、と知って観に行こうとすると、猶予は最大で1ヶ月、夏休みなどはひとコマが1週間に絞られるスケジュールになっているので、2週間のうちに観に行かねばならない。

小さな恋のメロディ』は現在、権利の問題が絡んでいるのか、映像ソフト版が入手困難になっているようです。そう考えると、観てみたい、と思った方は早いうちに映画館に駆けつけるのがいいかも知れません。

 ちなみに、来週金曜日よりオープンのTOHOシネマズ新宿も『新・午前十時の映画祭』上映館となってますが、グループAのひとコマ目上映期間にオープンしていないため、『リトル・ダンサー』は9月5日から11日の1週間に遅れて上映される変則スケジュールになっているそうです。私の場合、万一『リトル・ダンサー』を観逃した場合に限り、5ヶ月後くらいにフォローの機会が得られる格好。まあ、出来るだけ日本橋で押さえるつもりですけどね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました