12年振りの“アイル・ビー・バック”。

 今週も新作封切りの時期がやって参りました。諸般事情から土曜日は出かけられない予定なので、どーしても今日1本は観ておきたい。ふたつの候補のどちらにするか、で悩みましたが、朝の支度の都合もあって、調べておいたうちの近い劇場でかかっている方を優先しました。まあ、もともとこれが第1候補だったのだ。

 久々の好天のなか、自転車を漕ぎ漕ぎ訪れたのは、最近ちょっとあっちこっちに浮気してる感がありますが、未だに訪れた回数では今年最多のTOHOシネマズ日本橋。作品は、あの伝説的SFアクション・シリーズにアイコンたるアーノルド・シュワルツェネッガーが復帰しての最新作、すべての時間軸がリセットされた予測不能の状況での死闘を描いたターミネーター:新起動(字幕・3D・TCX・ATMOS』(Paramount Japan配給)。調べたら前回の『ターミネーター3』は2003年7月12日公開で、見事にほぼ12年前なのであった。

 基本的に面白い、と言っていい。第二班監督にアレクサンダー・ウィットの名前があったらアクションは心配要らない、というかねてから私が唱えている説に漏れず、実写でのアクションもSF設定を活かしたアクションも迫力は充分。旧作をきっちり考慮したストーリー展開と、そこから形作られる心理的ドラマの表現も悪くない……ただ問題なのは、随所に設けられたサプライズを生み出すための趣向が、大いなる矛盾を作り出してしまい、それがカタルシスを損ねてしまっていることです。作り手としての意図は察せられるんですけど、物語のなかの論理展開において、ああいう選択肢はまず発生し得ないはずだし、それを踏まえたクライマックスの顛末についても、爽快感よりも疑問符を残すかたちとなってしまっている。老いたからこその説得力も籠めたシュワちゃんの勇姿は堪能できますし、過程を楽しむだけなら満足度は高いので、何だか勿体ない。

 ちなみに今回、どこで観るのかけっこう悩んでおりました。先週の『アベンジャーズ』に続いてのMX4D対応作である一方、実はIMAX版の上映は新宿では予定していない――もしかしたらIMAX版自体製作されてないのかも知れません。その代わりに3Dは用意しているし、DOLBY ATMOSの上映もある……MX4Dで観ることも考えたんですが、『アベンジャーズ』との兼ね合いで、私の好きな朝一番の上映がないし、アクションの迫力以上にSFとしての趣向も重要な作品なので、体感型シアターの演出に気を取られたくない、というのもあって、ATMOS対応している日本橋で鑑賞したわけです。やっぱりここが根城、という気分もあるので、あんまり間を置きたくなかったから、というのもある。

 しかし、久々に封切り日にここを訪ねた気がしますが、心なしかちょっと年齢層が以前より高かったような。もしかしたら若い層は、より設備の充実した新宿に移って、日本橋は自然な客層に推移しているのかも。想像に過ぎませんけど。とりあえず、まだまだ接客態度に難ありの新宿よりも、こちらのほうが不安が少ないので、私は当面こちらを鑑賞計画のメインに据えるつもりです……少なくとも、TOHOシネマズ上野が出来るまでは。

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