レンタルDVD鑑賞日記その468。

  • 『投稿霊像 白の章』(投稿霊像製作委員会)

 今回もビデオパスで借りてみました。既存の同種タイトルとは異なるルートで入手した映像を集めた、という触れ込みの新シリーズです。

 ……まず、どこがどう既存のタイトルと入手先が違うのか教えて欲しい。最初の映像はどうやら映像制作会社あたりから入手したように見えますけど、他の映像は明らかに一般人から入手したような作りで、そこから違いを感じられない。途中にこういう映像を専門的に蒐集しているひとが介在しているとしても、だったらなおさら“余所とは違う”特徴を出せるものを選んでこなきゃ駄目でしょ。

 蒐集家から提供された、というわりには、どうも映像の出来も悪い……ぶっちゃけ、“合成ではない”というスタンスに立って感想を書くのが馬鹿馬鹿しくなるくらい合成っぽさがあからさまな代物ばかり。シリーズ1本目なら、もーちょっとリアルに感じられる作り方、見せ方ぐらいしてみようよー。

 百歩譲ってニセモノなのは許すとしても、いちばん問題なのは映像の見せ方そのものです。ドキュメンタリー部分がなく、提供映像とナレーションだけで構成せねばならない、という事情はあったにせよ、肝心の異変が起きている箇所を再確認するのに、不必要な部分をだらだらと反復するのはいただけない。反復は出来るだけコンパクトにするか、要らない部分を多めに使って尺を埋めるにしても、もうちょっと演出で必要があるように思わせる工夫がなければ駄目です。

 最初の映像が、恐怖を体験したひとのインタビューで始まっているあたりだけは、ちょっと違うかも、という期待を抱いたんですが、あれがただの投稿映像の一部だと解ってしまうと、無駄としか思えない。だいたい20分近く使って肝心の異変があれっぽっち、というのはさすがにヒドすぎる。もし私があれを「どーだ」とばかり突きつけられたら「おととい来やがればかやろう」とけっこう本気で叩きつけると思う。或いは丁重に話だけ聞いて、そのあとは放置。

 唯一評価出来るところがあるとすれば、2本目の“カラオケボックス”という映像で、本篇で採り上げているのと同じくらい気になる部分があるのに、そこに一切言及していない薄気味悪さぐらいでしょうか。しかしそれとて、この尺で2つも異変が起きてるのに、大した怪異が記録されてない1本目に尺を取るセンスのなさを露呈しているに過ぎない。

 ……まあ、1本目ですので、もう1回くらいは様子を見てもいいんですが、これは極めて期待薄です。ナレーションの言い回しもあちこち変だし……。

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