特盛2本立て。

 本日はTOHOシネマズデーにつき、一般料金は1100円均一になります。この日だけは、ふだん利用している有人のカウンターでないと使えない割引サービスと同額でネット購入出来るため、利用しない手はありません――土曜日なので混んでるだろうなー、と思いつつ。

 しかし、ふ、と思ったのです。

 それなら、混まない座席で観ればいいじゃん、と。

 というわけで今回、2本観るうちの1本目は、プレミアボックスシートを選択してみました。

 このシート、スクリーン自体は一緒なんですが、シートは革張りのちょっとゆったりとした素材を使い、座席横に荷物を置くためのスペースと、両隣の席とを隔てるパーティションが設けられている。肘掛けも当然左右独占なので、隣の席を意識することなく、作品に没頭できるようになっている。

 混雑時にはどうしても座席が埋まってしまうので、嫌でも隣席の客を意識してしまいがちです。混むのは仕方のないことですが、プレミアボックスシートを選択すれば、鑑賞中のストレスは軽減されるかも、と思ったのです。

 というわけで、予めチケットを確保のうえ、夕方にTOHOシネマズ新宿に駆けつけました。

 作品の内容は後回しにして、プレミアボックスシートの使い心地に触れます。

 さすがに居心地はいい。肘掛けが遠慮なく使えるのもさることながら、隣の席の様子をほとんど気にしなくていいのは大変にありがたい。荷物もわざわざ足許に置かなくていいので、少し安心感はあります。

 が、革張りのシートは確かに少し質がいいのかも知れませんが、何かの拍子に身動きすると、きゅっ、と鳴ってしまうのが気になります。何より個人的に納得しがたいのが、通路の狭さ。横の間隔は当然普通の座席より広く取っているわけですが、しかし前列との間隔は一般の座席と同じで、そこにパーティションが設けられているために、必然的に一般的な席よりも前が狭くなっている。今回、チケット発券の時間なども考慮して少しだけ早めに現地入りしていたからいいようなものの、広くなってるから、とタカをくくって遅めに入場していたら、たぶん他のプレミアボックスの客にだいぶ迷惑をかけていたはず……昔ほどではないのですが、映画館を設計するひとは、足許の間隔を軽視しすぎだと思う。プレミアでなくても足を引っかける心配がない程度の間隔は設けて然るべきでしょうし、料金を高く設定しているプレミアボックスシートなら尚更にそこは配慮して欲しい。

 というわけで、座り心地は悪くないのですが、個人的には1000円の差額に見合うほどのサービスではない、という印象なので、特に理由がない限りはふたたび利用することはないでしょう、私は。だいたい、私の好みよりも席が後ろすぎるので、そもそもがちょっと物足りなく思えてしまうのです。

 それはさておき、本日プレミア扱いで鑑賞してきたのは、強盗犯たちが盲目の老人に翻弄される、というシンプルだけど見事な着想で描かれ、アメリカでは『スーサイド・スクワッド』を押しのけて1位を獲得し話題になったスリラードント・ブリーズ』(Sony Pictures Entertainment配給)。……おや、今年に入ってまさかの3本連続ソニー配給作だ。

 設定を聞くなり観たくて仕方のなかった1本です。期待に違わず、そして評判にも違わず見事な出来映え。シンプルなアイディアを、沈黙や闇を活かして極上の恐怖に変える演出。舞台となる家屋にも趣向を凝らして観る者を飽きさせませんが、秀逸なのは、背後にちょっとした仕掛けが用意されていること。これによって出来事に芯が通ると共に、更なる恐怖を煽り、それがクライマックスまで続く緊張を生み出す。あまりに緊張状態が続くせいで観ていて疲れますが、尺も1時間半を切る程度なので実に手頃。文句なしに傑作だと思います。

 鑑賞後、トイレを済ませたあと、同じフロアの10番スクリーンへと移動して鑑賞した本日2本目は、君の名は。(IMAXょ』(東宝配給)。実は昨日から2週間限定でIMAX版の特別上映が始まっていて、設定上の粗はさておき、映像の美しさとか音楽、音響のクオリティはとても評価していたので、せっかくだから、と再鑑賞してきました。実のところ、今日の本当の目当てはこっちだったりする。

 こちらも映像的には期待通り。IMAXクオリティになっても粗が出ない映像美は、観ておいて正解でした。……ただ、筋を知ったうえで頭から鑑賞すると、クライマックスに向けての構成はうまいんですけど、やっぱりところどころ設定的な矛盾や不自然なポイントがあちこちにあって、手放しでは褒めにくい、というのが正直なところでした。けっこう序盤に伏線が張られてるんですが、それを観た瞬間、「おい」とツッコみたくなりました。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいに、矛盾はあってもストーリー的に貢献するものなら構わないんですけど、これはなー。

 とはいえ、この作品の魅力を存分に堪能したいなら、IMAX版はけっこうオススメです。まだの方はもちろん、もう何度も観ている、というひとも、機会があるならIMAX版を選択してみていいと思います。割増分の価値はあると思う。

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