3度目の侍。

 2週にいちどの、午前十時の映画祭9鑑賞の日です。

 せっかくの梅雨の晴れ間なので、今日はのんびりと自転車で出かける――つもりだったのに、タイヤの空気を入れようとしたら、空気入れがダメになってるらしく、まったく空気が入っていかない。しばし格闘して、ぎりぎりの時間でとうとう音を上げて、電車での移動に切り替えたのでした。

 若干しょぼーんとした気分で赴いたのはいつものTOHOシネマズ日本橋、鑑賞したのは、黒澤明監督の言わずもがなの代表作、野武士の掠奪に悩んだ農民たちと、彼らに雇われた侍が戦いに挑む七人の侍 4Kデジタル・リマスター版』(東宝初公開時配給)。都合3度目、デジタル版では2度目の鑑賞。

 なにせ3時間を超える長丁場ですから、観に行く前はけっこう覚悟が要るのですけど、実際に座席に着くと、あっという間に感じてしまう凄さ。3度目ですが相変わらず面白い。今更ながら、人物の配置に一切の無駄がないことに驚かされます。道化に見える菊千代はもとより、若い勝四郎の恋愛も、ほかの侍たちの立ち位置や主立った農民の動きにも無駄がない。舞台は狭いのに、緻密に組み立てられた戦略もあって、広がりを備えながらも内容は濃密。農民と侍との生き方の違いも汲み取っていて、深い。やっぱりいい映画は何度観てもいいのです――それでも、観る前はちょっと気合いが要りますけど。3時間超えだもの。

 昼食は、自宅最寄り駅まで戻って、駅のそばにある行きつけの中華料理店にて済ませる。ここは昔ながらのラーメンを出すので、多すぎなくていいのです――だいぶ胃の調子も落ち着いてきたんですが、それでもまだちょっと不安なの。

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