フグの店で鴨を食う。

 1月11日の映画鑑賞のあとの話。

 この日は当初、日比谷界隈を訪れたときによく利用している日比谷ラーメンアベニューで昼食を済ませるつもりでした。しかし、妙に混雑していたので断念。あれこれ迷ったあげく、久しぶりにふぐだし潮 八代目けいすけで食べることにしたのです。なんか、六代目が閉店して以降、けいすけの系列店にはあんましいい印象が持てず、ここ含めどこも足が遠のいてました。なのに利用したのは、迷ったそのとき、いちばん近くにあったからだったりする。

ふぐだし潮 八代目けいすけの芳醇鴨そば。

 いただいたのは芳醇鴨そば……ふぐ出汁の店なのになぜか鴨。恐らく、ちょっと歩いたところにある銀座鴨そば 九代目けいすけで提供しているメニューと一緒です。いつからこっちでも提供するようになったのかは解りませんが、どっちかと言えばフグより鴨のほうがほしかったので、こちらを選びました。
 すっかり私の中で系列店の評価ガタ落ちになってるんですが、味はいいのです。
 確かに鴨の風味が感じられる、醤油ダレのスープは濃厚だけど確かに芳醇で、思わずスープばかり啜ってしまう。麺は中太のストレート、粗めの表面と程よい弾力もあって、名前通りに“そば”なんじゃないか、と疑いたくなるほど。風味が小麦で、蕎麦の香りはありませんから、ギリギリラーメンだと言い切れる。
 具材は鴨のチャーシュー2枚に、メンマと小松菜、それに花麩。彩りの印象もラーメンというより蕎麦です。メンマがなければいよいよ蕎麦っぽい。
 特筆すべきは鴨チャーシューです。スープにしっかりと鴨の風味は仕込んでありますが、やっぱり肉があると嬉しい。ローストぐらいの調理具合で、ムチムチとした食感から滲み出る肉汁が上品かつ濃厚。2枚しかないのが悲しい……トッピングで追加できたかも知れませんが、そこまで確認はしなかった。
 薬味として添えられたあさつきと葱を適度にちらしつつ啜ると、最後まで飽きることもない。思わずスープを飲みきってしまいそうな勢い……でも、さすがにちょっと控えました。このところ、明らかに食事量が多いし。
 ふぐだしの上品で、なんとなくピリッとくる風味も嫌いではない。ただ、私はこっちのほうが好みです。そろそろ悪いイメージは忘れて、九代目けいすけまで足を伸ばすか……でも、本当に微妙に遠いのよね、私が外出する理由である映画館のある一画からは。そう考えると、今後も八代目のほうで鴨そばを食べるのかも知れない。次はいつか解りませんが。

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