第一回午前十時の映画祭、遂にコンプリート。

 ちょっと前にも書いたように、あえて月曜日に映画を観に行かない理由がなくなってしまったので、今週から月曜日も使うことにしました。
 赴いたのはTOHOシネマズ錦糸町 オリナス――双麺のスタンプカードが埋まりそうなので、固め打ちで通いまくってます。ここは午前十時の映画祭もかかっているので、観に来る理由が何かしらある、というのもこの際は助かる。
 鑑賞した作品は、午前十時の映画祭13上映作品、デンマークの寒村に暮らす信仰に厚い人びとのために、フランスの政変から匿われた明度が一夜限りの饗宴を催す『バベットの晩餐会』(シネセゾン初公開時配給)
 実はこれ、ず~~~~っと観たかった1本なのです。なぜならば、第一回午前十時の映画祭で唯一、私が鑑賞出来ていない作品だったから。50本をセレクトし、1週間交替で上映を始めたこの企画は好評を博し、翌年はまた50本をセレクトし全国を巡回する一方、追加された劇場で第一回上映作品を回すかたちで実施されたのですが、契約の都合により、第一回上映作品の数作品が翌年はラインナップから外れてしまった。そのうち、『2001年宇宙の旅』などはふたたび採用されましたが、この作品だけは選ばれてこなかったのです。2017年にデジタルリマスター版が劇場公開されましたが当時は気づかず、その後リリースされた映像ソフトで観るよりはやっぱり映画館で観たい、とひたすら待ち続けてきました。ゆえに、これでようやく第一回午前十時の映画祭コンプリートです。初めて午前十時の映画祭を観たのは2010年2月12日の『ショーシャンクの空に』でしたから、実に約14年を費やしたことになります。長っ。
 ほとんど情報を持たずに鑑賞しましたが、大変にいい映画。そして、午前十時の映画祭で『ショコラ』とセットにされたのも納得の内容でした。
 舞台はデンマークの寒村、中心となるのは牧師である父親のあとを継いで信者達を支えてきた慎ましい姉妹。老いには勝てず、信者の関係もギスギスとしていくなか、長年メイドとして姉妹に寄り添ってきた女性が提案した饗宴。
 序盤、姉妹が過去に経験したロマンスが挟まれるあたりがやや脱線しているように見えたのですが、実はそれこそが物語の仕掛けであることが追々解ってくる。シンプルだけど巧い。
 そして、メインである晩餐会に至るくだりの奇妙な微笑ましさと、溢れんばかりの多幸感が絶品。いきなり大量に運び込まれる得体の知れない食材に怯え、食事については語るまい、と決めていた姉妹や信者が、いつしか料理に夢中になっていくその微笑ましさ。表情だけでもその美味しさは伝わりますが、ちゃんと最低限の説明をしてくれる人物が挟まることで、料理の意味が理解出来て、なおかつ強烈に興味をそそられる。
 食事が次第にひとの心を解きほぐし、幸せにしていく様が映像から伝わってきて心地好い。本当に見ていて心暖まる、そしてバベットの料理が食べられた彼らが心底羨ましくなる作品です。この映画祭の初っぱなにラインナップされるのも納得。

 映画を観たあとは、予定通り今回も双麺へ。今回の注文で、無事にスタンプ10個貯まりました。
 スタンプカードを返してもらう際、「プレミアらーめん」はご用意に時間がかかるので」と言われました。あとで確認すると、担々麺の肉味噌も注文後に仕込むので、15分くらいはかかるらしい。お願いするときは、ちょっと時間に余裕を保っておく方がいいようです――あと、お昼時からちょっとずらすことも考慮しよう。
 何にしても、次に錦糸町に来るときは、いよいよプラチナ双麺らーめんです。

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