今年100本目は、聖夜にモスラを呼んでみる。

 通常はプログラム切替後最初の火曜日に観に行っている午前十時の映画祭11ですが、きのうも触れたとおり年の瀬も押し迫ってあれこれ立て込んできた。加えて、これがことし映画館で鑑賞する100本目の映画、というタイミングでもある。新作でも、この節目に相応しいくらい楽しみにしていた作品もかかりますが、何となくこっちの方がいいかな、と思い、午前十時の映画祭のほうを選ぶことに。
 きのう一昨日で身体があちこち痛くなってしまったので、好天ですが移動は電車を使いました。寒いとダメージも大きいし。
 劇場は毎度のTOHOシネマズ日本橋、鑑賞したのは、当時としては破格の規模で製作された特撮ドラマ、秘境から都市に現れた怪獣の脅威を描く『モスラ〈4Kデジタル・リマスター版〉』(東宝初公開時配給)
 まあ、現代の目からするとあちこち引っかかるところは多い。さすがに未開の民族の表現がステレオタイプ過ぎるだろ、とかみんな日本語よく喋るな、とか。悪役の行動がさすがに独善的に過ぎるのも、いまとなっては気になる――ゆえにクライマックスがなかなか爽快なわけでもありますが。
 見所はやっぱり特撮でしょう。これも現代の、CGを駆使してよりリアルになった映像に慣れると、合成の具合やミニチュアゆえの不自然さも目につくのですが、特撮である、というのが明白だからこそ繊細な工夫も見えてくる。海を渡ってくるモスラや、そのはばたきで街が破壊されていくさまなど、スペクタクル感は味わえる。また、怪獣映画の元祖と言える『ゴジラ』と動機を差別化、そこに《小美人》というエキゾチックな要素も加えて独自の魅力を生み出したことも評価出来る。ザ・ピーナッツの起用やステレオ音源の強調など、この時代だからこその趣向、挑戦も交えていて、面白さよりも日本映画史の面で価値のある作品かも。現代の映画にしか接してないひとに「オモシロイヨー」とは勧められない。

鑑賞後はまたぞろ日本橋ふくしま館 MIDETTEへ。まだ訪ねたことのないところが出店していたので、列が出来ているのも厭わず食べてきました。レポートは例によって後日――ストックを貯めているところなので、アップするのは年明けになるかも。

コメント

  1. […] 原題:“Mothra” / 原作:中村真一郎、福永武彦、堀田善衛 / 監督:本多猪四郎 / 特技監督:円谷英一 / 脚本:関沢新一 /  […]

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