新しくないほうのヴェネツィア。

　週末につき、毎度の如く封切り映画を鑑賞するべく有楽町へ。

　訪れたのはTOHOシネマズ日劇なのですが、これが微妙に、日がまずかった。お目当ての作品自体がけっこう注目作だったので、１階のチケットカウンターに列が出来ていたのはまあ解るとしても、劇場のある９階に上がってみると、やたらと人が詰まっている。エレベーターから見て手前にあるスクリーン２で『劇場版ドラえもん』が同日封切りとなっていて、初回は舞台挨拶があるために、開場待ちの人が溢れていたのです。しかも、フロア中央にあるエスカレーターとの仕切りに添って物販のワゴンを並べた上、スクリーン３との中間に、衝立のようにポスターのスタンドを置いている。私の観に来た作品はスクリーン３だったのですが、そこまで移動するだけでもひと苦労という。劇場の人間は、入口の前で呼びかけるだけでろくに整理もしていない。場所が狭かったり係員が足りていないのは察しがつきますが、ちょっと手際が悪すぎる。観る前に若干不愉快な気分になりました。

　まあそれはさておき、本日鑑賞したのは、ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーという夢の競演で話題のロマンティック・サスペンス『ツーリスト』(Sony Pictures Entertainment配給)。ある理由からとても楽しみにしていた作品だったのですが、その意味では残念。決して悪い作品ではなかったし、愉しんだことも事実なのですけれど。詳しくはこのあとすぐ。

　しかし内容以上に、久々に映画の中でヴェネツィアの光景を観ると、自分の中でこの土地のイメージがすっかり『ARIA』と結びつけられていることに気づいてしまって、観ているあいだじゅう終始苦笑いしてました。あーこの辺見覚えあるよ、という見方ばっかりしてるんだもの私。