映画史に残る、階段の銃撃戦をもういちど。

 2週間前に始まった午前十時の映画祭11、1年前まではプログラムが切り替わって最初の火曜日に行くのをローテーションにしてましたが、今回は訳あって土曜日に観に行きました。母も大スクリーンで観たいようだったので、予定が合わせやすい日に調整したのです。また単独行になったら火曜日に戻します。

 ともあれ、本日は母も一緒のため、電車にて移動。
 鑑賞した午前十時の映画祭11今コマの作品は、禁酒法施行当時のアメリカで、絶大な権力を誇るアル・カポネを捕らえるために命がけの捜査に臨んだ財務省のエリオット・ネスとその仲間たちを描くアクション・サスペンス『アンタッチャブル』(UIP初公開時配給)。ちょうど多忙と体調不良でガタガタになってた時期に午前十時の映画祭で上映してましたから、感想は書いてないけど2回目の鑑賞です。
 ……なんか心なしか、最初に観たときよりも面白く感じていた。実話をベースにしているわりに構造はひどくシンプル、しかしそのぶん、随所で展開する銃撃戦のまあ見応え豊かなこと。建物の構造を活かしたトリッキーなカメラワークで静かに、しかし躍動的に魅せてくれる。
 そして何と言ってもやっぱりクライマックス、駅の階段を舞台にした銃撃戦は逸品。待ち受けるあいだの異様な緊張感の漲る時間、そして激しい応酬と戦慄するような危機をスローモーションでジリジリと見せる構成。このくだりは隅々まで芸術品だとさえ思う。母としばしばこのシーンの魅力について話していたので、せっかく大スクリーンで観られるなら、と誘ったわけ。
 先日惜しくも亡くなったエンニオ・モリコーネによる音楽も実に印象的。残酷描写を厭わぬ娯楽映画なのに、ゴージャスな芸術品の趣さえある傑作です。

 まだコロナ禍は収まりを見せていませんが、これまで感染を出していない映画館は客足がだいぶ戻っている様子。昨年の『鬼滅の刃』からこのあいだの『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、そして今週は1年の延期からようやく公開に漕ぎつけた『名探偵コナン 緋色の弾丸』があったお陰も勿論大きいのでしょうが、それにしたって、『アンタッチャブル』がほぼ満席だったのは、この作品の人気の証なのでしょう。
 満席に近いと、場内がややゴタつくのも致し方のないところ。母の隣のお客は本篇開始直前にやって来て、途中居眠りした挙句、エンドロールに入るなり出ていったそうです。きっと、忙しくて疲れ気味だったけど、確保していたチケットを無駄にしたくなかったのでは? といちおうフォローしておいた。2019年末に『ウエスト・サイド物語』を観に行ったときは、隣のお客がかなり重めの風邪を引いていて、どー考えてもそれが母に伝染り、最終的にわたしまで罹ってしまったことを思えば、だいぶマシだと思うの。

 鑑賞後は、コレド室町の地下1階に入っているラーメン店で昼食を摂ってから帰宅。こちらは初訪問なので、後日レポートをアップします。

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