映画館通い再開は、イーストウッドから。

 ようやく、よーーやく、映画館の営業が再開しました。未だに感染拡大は終息に至らず、座席はまたぞろ市松模様、21時で上映も終了、と制約はありますが、とにかくまた大きなスクリーンで楽しめるのが嬉しい。

 しかし悩ましいのは、観る作品が多すぎること……解ってはいたが、東京大阪などに緊急事態宣言が出ているあいだも封切りはされていたので、まだ観てない作品ばかりになってしまった。いちおう、予め優先順位はつけてましたし、タイミングの都合ですぐに上映終了となってしまう作品もあるので、何となく予定は決まってしまったんですが……正直、窮屈です。もう少しゆとりが欲しい。
 朝一番で向かったのはTOHOシネマズ錦糸町 オリナス。陽気もいいのでバイクでの移動です……ここは、諸般の理由で私にとってはバスがいちばん使いやすいんですが、好天の誘惑には勝てません。
 鑑賞したのは、本年度の午前十時の映画祭11上映作品、世界的ベストセラーとなった小説をクリント・イーストウッド監督&主演、メリル・ストリープ共演で映画化、ふたりの人生を変えたたった4日間の恋を描くマディソン郡の橋』(Warner Bros.初公開時配給)。前に観たのは丸の内ルーブル閉館時の特別上映でした。あのときはフィルムでしたから、デジタルマスターでの鑑賞は初めて。
 改めて、いい映画です。ものすごく静かに、中年となった男女の恋愛を描き、かつそこに息苦しいくらいの誠実さがある。お互いの生き方を尊重するからこそ、交わることの出来ないもどかしさや切なさ。約束された別れのあとに織り込まれたクライマックスの、さり気なくて繊細で、しかしこの上なく心に沁みる表現が圧巻。
 ……それにしても、メリル・ストリープにはいっさい文句はないんですが、やっぱりこれはイーストウッドの主演でなくても良かった気はする。この時期はまだ監督と主演兼任がメインでしたし、ベストセラーの権利獲得のうえて話題性も必要だった、とか色々あるんでしょうけど。もちろん俳優としてのイーストウッドも好きなんですが、これに限っては、ほかの俳優で良かった気がしなくもない。

TOHOシネマズ錦糸町オリナス、スクリーン5入口脇に掲示された『マディソン郡の橋』午前十時の映画祭11上映時の紹介記事。
TOHOシネマズ錦糸町オリナス、スクリーン5入口脇に掲示された『マディソン郡の橋』午前十時の映画祭11上映時の紹介記事。

 鑑賞後は錦糸町駅近くまで歩いて、駅前の双麺 錦糸町店で昼食。圧倒的に好き、というわけではないけれど、ここのつけ麺の極太平打ち麺の歯ごたえや味わいはけっこうお気に入りで、たまに錦糸町に来た際はだいたいここに立ち寄ってます……まあ、ネットで調べた範囲では、ほかに私の琴線に触れるタイプの店が少ないから、というのも大きい。あくまで私の好みの問題。
 それにしても、天気がいいのはいいけれど、一気に蒸し暑くなってきました。皮膚の保護を考えて、上にはGジャンを羽織っていたんですが、照りつける陽射しで暑い暑い。またしてもバイク乗りにとっては厄介な季節が来てしまいました……。

コメント

  1. […] 原題:“The Bridges of Madison County” / 原作:ロバート・ジェームズ・ウォーラー(文春文庫・刊) / 監督:クリント・イーストウッド / 脚本:リチャード・ラグラヴェネーズ /  […]

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