実はオードリー週間だった。

 余人はいざ知らず、私にとって今週は、紛う方なきオードリー週間でした。
 狙ったわけではないのです。ふだんはプログラム切替直後の火曜日に鑑賞していた午前十時の映画祭12の作品を、「ゴールデンウィークまっただ中には観たくないな~」という理由で一週間延ばした。それが火曜日の『いつも2人で』でした。他方、気になっていたけど、他に優先順位の高い作品があったために封切直後には観ず、きのうに持ってきたのが『オードリー・ヘプバーン』。
 そして本日は、金曜ロードショーにて、オードリーの出世作である『ローマの休日』の新規吹替版を放送する。いつもなら、地上波の映画はこれといった理由がない限り観ないほうですが、これはもう、観る理由ががっちりとある。
 情報が出た段階で膝を打ったのは、アン王女の吹替に早見沙織を起用したこと。繊細でも芯のある声は、アン王女、ひいてはオードリーのイメージにとてもしっくり来た……ネットでは、ジョー役の浪川大輔も引っくるめて「『鬼滅の刃』便乗だ」なんて声が出てる、と叩いてる記事も見ましたが、それはこのおふたりのキャリアと実力を軽視しすぎてる。
 だいたい、“吹替”というのは、工夫次第で作品に新しい魅力を吹き込むことにもなる。オードリーのフィックスであった池田昌子を望む声も解りますが、むしろいま放送するうえでアピールすべきは“オードリーの声=池田昌子”というイメージを持たない層で、仮に話題性先行だとしても、いま知名度のある声優を使うのは工夫として認められていい。

 で、透析をしながら、鑑賞してみたわけです。
 ……冒頭随分切ったな! 私はあの歓迎会のくだり、王女がスカートの中でこっそり靴を脱いで、侍従が回収してるシーンがけっこう好きなので、切られて残念……まあ、あのあたりは台詞がなくて、吹替の醍醐味がないですし、そもそももう一人の主人公が出てないので、カットするのは理解できなくもない。彼女のお転婆さが最初から窺える、効果的な場面ではありますが。他にも細かく端折っているのが残念。
 しかし吹替の新録は、私には文句なし。予告の抜き出しだけだと、ちょっと昔の吹替に寄せすぎかな? と思ったんですが、クラシカルな雰囲気を表現しながら、ちゃんと各々の声の個性を出してる。早見沙織のオードリーは私の理想通りでした。
 出来ればこの配役で、ノーカット版をリリースして欲しい。配信でも映像ソフトでもいいから。いちおうHUluでの配信を告知してましたが、ノーカットなのかどうかは言ってなかったな。いちど更新したあとで、検索してhuluのサイトを確認したところ、吹替版の尺はいちおうノーカットになってましたが、それが放送と同じ配役による吹替なのかは明記してなかった。

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