“大嫌い”が背中を押す。

 もう既に次の作業は始まっておりますが、それはそれとして映画は観るのです。今月は諸々忙しくなりそうだし、なおさらに観たいものはしっかり押さえておきたい。というわけで映画鑑賞です。
 赴いたのは丸の内ピカデリー。天気もいいのでバイクで出かけましたが……久々に、最安値の駐車場が埋まっていた。少し早めに出かけたので、すぐさま気持ちを切り替え、別のところへ。先日発見したときは、バイク用の端末がなくて係員の方に生産してもらうスタイルでしたが、今回はチェーン式に変更されていて、その場で精算するかたちになってました。わざわざ人にお願いしなくていいのはありがたいけど。それはそれで味があった気もする。
 鑑賞したのは、『あの花~』や『ここさけ』の脚本・岡田麿里が自ら監督したアニメーション長篇第2作、事故により外界から隔絶され時間の進行も止まってしまった町に生きる“少年少女”たちの葛藤と衝動を描くアリスとテレスのまぼろし工場』(Warner Bros.配給)
 前作がよかったので今度も観るつもりではありましたが、中島みゆきが主題歌を担当したために絶対外せなくなってしまった……色々と予定がかち合ってなければ、もっと早く観に行った。
 ファンタジーというかSFというか、非現実的な状況のなかで紡がれる人間ドラマなのですが、ただテーマの性質は前作『さよならの朝に約束の花をかざろう』と通じるものがある。間延びした永遠か、瞬間に凝縮された永遠か、そしてそのどちらでも、そこで生きる人の感情の生々しさ。
 アニメらしいけれど異様に肉体感のある描写と、夏と冬が折り重なったような独特のトーンによる映像は魅力的でありながら、全篇にどうしようもない退嬰の雰囲気がある。それが予感させるものの正体はやがて明らかになっていくのですが、そこから抜け出していく物語のトリガーと選択は新鮮で鮮烈です。
 中心となるのは正宗という少年と睦実という少女、そして謎めいた少女の3人であり、あいかわらずの生々しい青春ドラマという様相もあるのですが、そこもやはり岡田麿里作品、大人の側にも屈折した人間性、感情がある。その絡み合いが生み出すクライマックスのドラマ、とても残酷で、なおかつ潔い締め括りが心を揺さぶります。どこか怪談めいたエピローグも秀逸。いい映画でした。

 ところでこの作品、初週の動員が物足りず、一気に上映回数が減っています。なんで私も、もうちょっと遅らせてもいいかな、と思っていたのに、当初観に行くつもりだったTOHOシネマズ系列での鑑賞を諦め、唯一、1日通しでかけていた丸の内ピカデリーを選んだのです。
 しかしこの作品の興行的失敗は、たぶん上映館が多すぎたことだと思う。全国主要都市を押さえつつ、100館程度にしておけば、需要と供給のバランスが取れて息の長い興行が出来たはず。作品がどういう形で受け入れられやすいか、計算し間違えたのだと思います。岡田麿里は間違いなく独自の地位を築いていく才能だと思いますが、本篇の微妙な状況はあとあと影響を及ぼしそうでちと怖い。

 鑑賞後はいつも通りラーメン店に赴き……はせず、やや久しぶりの手打ちそば・うどん店でお気に入りのカレーうどんをいただいてきました。何故なら今週末から1ヶ月半、ラーメンのイベントが続くため、いつもよりラーメンをたくさん食べる予定だから。いまその手前なので、とりあえず控えておくことにしたのです。
 それから日比谷しまね館を訪ね、我が家で愛飲しているざら茶と、来週木曜日に予定されている酒林堂チャンネルのイベントに合わせて飲むお酒を前倒しで購入。前述の理由で、来週直近で日比谷界隈に来る可能性は極めて低いので、先にお酒だけ押さえておいたわけです。
 用事を済ませたら、あとはまっすぐに帰宅。さて、次にこのあたりに来るのはいつになることやら……まあ、TOHOシネマズシャンテやヒューマントラストシネマ有楽町などのミニシアター系列だと、そこでしか観られない、という場合もあるし、ずーっとラーメンというのも飽きるので、予定が出てこなきゃ解らないんですが。

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