奇妙で異様で可愛くて。

 ただいま、週末を映画鑑賞の枠に使っております。午前中に出かけて、お昼をラーメンイベントでいただいて帰宅、というコースが定番でした。
 が、今日はそうはいかなかった。
 透析装置のメンテナンスに来てもらう約束をしていたため、午前中は出かけられません。
 今年は在宅透析を始めて5年経ったので、通常の点検に加え、消耗する部品を交換する作業が追加されます。いちどに実施すると時間がかかるので、複数回に分け、通常の点検の所要時間を延ばして対応しているのだそうです。
 真面目にこまめに透析を実施している私の機器は、そのぶん部品も早くヘタる、ということが今年、明確すぎるくらい明確に立証されてしまったので、きちんとお願いせねばなりません。
 時間がかかることも考慮し、いちどにいちおうはあとで映画を観に行く計画を用意しつつ、チケットの確保はしていませんでした。
 が、けっこう順調に進んだようで、通常よりも1時間ほど長い程度で点検は終了。仮眠を取っても余裕がありそうだったので、至急チケットを確保し、夕方近くにお出かけしました。

 向かったのは例によって新宿です。
 開映時間より1時間ほど早く現地入りできるよう調整して、映画鑑賞の前に早めの腹ごしらえとしてラー1グランプリへ。その辺のことはいつも通り、別項にてまとめてアップします。
 食後に向かうは、TOHOシネマズ新宿。鑑賞したのは錦織敦史監督のオリジナル・オムニバス、3つの奇妙で可愛い物語が綴られる『GROTESQQQUE -グロテスク-』(ANIMEC)。
 この作品の監督だから気になった、というのではなく、テーマの異なるオムニバス、という構成と絵柄に惹かれたのです。もともとこの日は『ゴジラ-0.0』が観られないか、と思ってはいましたが、2週目で勢いは衰えず、IMAXスクリーンでの上映もしばらく続きそうなので先送りにし、これも優先順位高めにしていた本篇を選んだ次第。
 想像はしていたけど、それ以上に具沢山でかなり賑やかな作品集でした。
 1本目からカラフルで華やかで、それでいてタイトル通りグロテスク。ヒロインがきっちり可愛いのに、擬態しているのをまったく隠してないので、のっけからかなり情緒を揺さぶられます。
 しかしそこに現代的な問題意識とカルチャーがこれでもかと、いっそ詰め込みすぎ、と言いたいくらいに詰め込まれてる。ヒロイン・エリィの自由奔放さによる粗っぽいやり口だからこそ、むしろ許されてるのでは、と思うようなぎゅうぎゅうっぷりです。楽しいけどうるさい、とも言える。
 それに比べると2作目『よろしく☆ガール』はまだシンプル。キルしあい上等なヴァーチャルゲームフィールドで、それぞれに理由を抱えてクイーンを目指す女の子たち。画面装飾は相変わらず賑やかですが、目的はストレートだし、映像的な見せ方も正統派のアクションで爽快。最後のステージに至る理屈が雑なのが引っかかりますが、迫力はある。
 ラストの『ノクターン』は登場人物がわずか4人、内容もヴァンパイア×ポスト・アポカリプスかける百合と整理され、静かで耽美的な物語が展開する。
 この最後のエピソード、乃木坂46の5期生のみにしたのは意外と効果的です。想像していたよりアニメ的な演技もしていましたが、先行2作品の本職と比較すると素朴な演技が、まるで閉じたかのような世界観に繋がっている。さすがにこのやり方で付けるナレーションとしては多すぎでは? と感じる部分もありましたが、とても雰囲気のある作品。胸焼けのするほど趣向づくしの作品が続いたあとにはちょうどいい心地よさです。
 それぞれ繋がりあうわけではないけれど、要素に共通項があり、テーマや音楽の使い方に現代らしさも封じてある。なかなかに刺激的でした。
 ちなみにパンフレットは通常版と豪華版の2種類、用意されている。ちょっと迷いましたが、思い切って豪華版のほうを選びました――鑑賞前に。しかし、本篇はいい仕上がりでしたし、資料的にも充実していそうなので、私としては間違いではなかった。たぶん、鑑賞後であってもこっちを選びました。

 映画を観たあとは、もういちどラー1GPへ赴き、もう1杯いただいてきました。詳しいことは1杯目と同様に、後日記します。
 それにしても、大久保公園に会場が移ってから長いこと経ちましたが、滞在中にラストオーダーを過ぎたのはこれが初めての経験だったかも。付近の映画館でハシゴしたときや、深夜イベントに参加するときにも訪れたことはありますが、たいていラストオーダーよりは前でした……だから何、と問われても、それだけの話ではある。

TOHOシネマズ新宿に向かうエスカレーター手前に掲示された『GROTESQQQUE -グロテスク-』ポスター。
TOHOシネマズ新宿に向かうエスカレーター手前に掲示された『GROTESQQQUE -グロテスク-』ポスター。

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