ジェイソン・ステイサムが暴れてなかった頃。

「ジェイソン・ステイサムが銃持って暴れる映画観る」→銃を持って暴れてる映画が多すぎて「どれだよ」と総ツッコミ、ところで逆に暴れない映画って何があるんだ?
ジェイソン・ステイサムが銃持って暴れる映画観る どれだよ どのステイサムだよ あのハゲはどの映画もそれしかしてねぇんだよ どれだよ せめて実は特殊部隊だった設定のやつにしろ どれだよ せめて復讐するやつにしろ ほぼ同数じゃねーか これだけじ...

 こんなまとめがあって、眺めていたら、ちょっと書きたくなったので、久々に映画コラムっぽいものを……前もステイサムだったな。

 もはや、当代きってのアクション俳優として認知された感のあるジェイソン・ステイサムですが、初期はそんなイメージはありませんでした。
 当然っちゃ当然です。前職はモデルや露天商をしていたそうで、世間にその存在が認識されたのはガイ・リッチー監督の出世作『ロック・ストック・トゥー・スモーキング・バレルズ』。クライム・コメディですが、このときのステイサムはどちらかと言えば間抜けな若者ポジションで、暴れていたのは別の人でした。
 このときの印象が強かったのか、ガイ・リッチー監督の続く作品『スナッチ(2000)』にも起用されていますが、こっちは裏社会の人間ではあるけれど、どちらかと言えばプレッシャーをかけられ怖じ気づいている側の方です。ちなみにこの作品、最近は珍しい、ステイサムによるナレーションが聞けるので、最近のファンも観ていいと思います。中だるみもあるけれど面白い。
 このあたりから俳優活動を本格化させますが、序盤はB級映画の脇役で、“大暴れ”のイメージはありません。SF作品『ゴースト・オブ・マーズ(2001)』は確か武器は持っていたけれど大暴れではありませんでしたし、マルチヴァースのジェット・リーが対決する、という設定の『THE ONE(2001)』は、いい役でちょっと存在感は増したけれど、そんなに派手なアクションはしていません。
 続く『ミーン・マシーン(2001)』はある意味大暴れはしていたはずです――ただこれ、いわばサッカー版『ロンゲスト・ヤード(1974)』で、ステイサムの役柄も囚人。武器は持ってなかった……はず。この辺は本当にB級で、再鑑賞の機会もなかなかないものですから、記憶は曖昧です。
 で、このあとにステイサムのアクション開眼作、『トランスポーター(2002)』が登場します。私の記憶では、『THE ONE』で共演したジェット・リーから刺激を受けて挑んだはず。本篇において、ステイサムがあまりにも動けるので、アクションの演出を担当したコーリー・ユンが予定よりスタントのレベルを上げた結果、ステイサムのイメージを更新することになった。
 ただし、これですぐにアクション俳優というイメージが定着したわけではありません。自身は完全に適性を見たようで、たぶん意識的にアクション作品を選ぶようになっていたはずですが、実際の出演作は『ミニミニ大作戦(2002)』、『エクスタシー(2005)』、『リボルバー(2005)』と、アクション性が売りではない作品がまだまだ多い。この時期の明白なアクション映画は『トランスポーター2(2005)』がありますが、これに先んじる『セルラー(2004)』はアクションもありますが基本はサスペンス、しかもステイサムは悪役、という今となっては貴重な内容です。ステイサムが完全に悪役となったのはその後の『ワイルド・スピード SKY MISSION(2015)』までないので、本当に貴重。
 そしてこのあたりを境に、ステイサムはほぼアクション中心にシフトして、出演作はアクションばかりになります。これ以降で、主要キャストに名を連ねながらアクション性のない作品は『バンク・ジョブ(2008)』、『ロシアン・ルーレット(2010)』くらいしかない。
 妙な表現をしてますが、実はこの時期にちょっとだけ、主要キャストで出演していない作品があるのです。『ピンクパンサー(2006)』なんかビックリします。往年の伝説的コメディ映画のリメイク、と聞いて興味を惹かれて観に行ったら、序盤でいきなりステイサムが出てきて、いきなりいなくなります。もっと驚くのは『コラテラル(2004)』です。トム・クルーズが珍しく悪役を演じた作品として当時話題になっていましたが、頭角を顕し始めたステイサムが突然現れたのです。クレジットには乗っているけれどちょい役すぎるので、これを知らない人は多いのではなかろうか。
エクスペンダブルズ(2010)』以降は、完全にアクション映画のみになっています。上のまとめのきっかけである、“銃持って暴れる映画”という表現を考慮すれば、実は銃を構えない作品もあるにはある。『デス・リベンジ(2008)』はファンタジーなのでそもそも剣しか握ってない、全篇内容を覚えてはいないので断言できませんが、『PARKER/パーカー(2013)』『ハミングバード(2013)』は作品の特徴的に、アクションはあっても拳銃は握ってなかった気がします。また、『MEG ザ・モンスター(2018)』は、一部で人間を相手にはしていますが、メインの敵が巨大生物なので、いわゆる銃器はほとんど手にしていなかった、はず。

 結論として、ステイサムは2010年以降、基本的に暴れっぱなしですが、それ以前ならば、多少は暴れてない作品も少なくない。“銃持って暴れる映画”となると、ちょこっと絞られると思いますが、だいたい銃には触っている。
“ステイサムが銃持って暴れる映画”という表現では、なにを観てんのかまっっっったく解りません。そこがいいんだけど。

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