レンタルDVD鑑賞日記その698。

 昨年6月リリースの『闇動画25』を鑑賞。男女二組で訪ねた山小屋で遭遇した恐怖“しるし”、著名な廃墟にまつわる想い出を持つ女性と撮影者がふたりで訪ねる“魔窟番外編 記憶”、取り壊しになる前の廃校を見聞に訪れた公務員と業者が遭遇した恐怖“魔獣”、の全3篇を収録。
 もうこのシリーズははじめから、1台のカメラで撮影した主観視点によるホラー・オムニバスと捉えて鑑賞することにしてます。
 なんで、わざとらしくてもあんまり問題にはしないつもり、なんですが……今回は全篇ちょっと微妙すぎる。みな取っかかりは悪くないし、芝居の不自然さも少ないんですが、終盤の展開がどうも安易です。
“しるし”はこの手のオカルトものの基本を押さえてるんですが、終盤の流れが必要以上にカメラを意識してるのがさすがに引っかかる。展開そのものはいいとしても、もうちょっと意識的に見せない、肝心のものを偶然捉えたような演出にしたほうが面白かった。
 トリを飾る“魔獣”も、一種のお約束で出来ていて、細部が不明なのは別に構わないんですが、最後までお約束のみ、というのはちょっと厳しい。低予算であることも、製作期間が短いことも察しはつきますが、だからこそなんかもう一ひねり欲しいです。
“魔窟番外編 記憶”はこのシリーズの続き物の1篇。でもどの辺が番外編なのかが解らない――背景には関わってるけど、超常現象が絡まないからなのか。今回収録しているエピソードの中ではある意味、いちばん面白かったんですが、これも終盤がちょっと安易。こういう展開になるのはいいとしても、やっぱり、劇中にカメラがある、ということを自然に感じさせる趣向が欲しい。
 フィクションだと納得したうえで、その創意は認めてあげたいシリーズなんですが、もうひとつ足りない。ほんとに、嫌いではないんだが。

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