1月16日に、2019年9月リリースの『心霊曼邪羅18』を鑑賞。行楽地で遊んだあと、車中で歓談していたとき、急に窓を叩かれたことで始まる恐るべき体験《見ず知らず人》、夜中に道で倒れていた人を見つけ、事件だった場合に備えカメラを回したところ、不気味なものを捉えてしまう《行きずり泥酔者》、久々に帰った郷里で、懐かしさに撮影していた際に記録された怪異が、思わぬ展開に及ぶ《縁怨》前後編など、全8篇を収録。
リストに並べるとき、一部順序が狂っていたらしい。まだ17巻が届いてないのに、18巻が先に来てしまいました……まあ、このシリーズは巻を跨ぐ続き物は、この時点ではまだないので、特に問題はないはず、と信じつつ鑑賞した結果、やっぱし問題はなかった。
前後編のちょっと長め、そしてスタッフも登場しての取材パートが添えられたエピソードが含まれるようになって、姉妹シリーズ『心霊盂蘭盆』との差別化がちょっと難しくなりましたが、あちらが1巻全体で大きなエピソードを構成するようになったのに対し、こちらはあくまでエピソードひとつひとつで独立していて、その中に関連性のある怪奇映像や取材を合わせて、少々長めの尺のエピソードを分割収録している程度に留めている。ギリギリ見分けはつく……けど、一般的な視聴者には誤差の範囲よね。
今回はシチュエーションにわりと工夫があって、比較的鑑賞に耐える出来映えですが、基本的にフェイクっぽさは消せていないので、チープなホラームービーを観ている感覚から抜け出せない。不気味であるし怖い、けれど、ギミックの不気味さや登場の唐突さに頼っているから、リアルな怪異というよりはお化け屋敷の怖さなのです。これはこれで楽しめる、けれど物足りない。
きちんと撮影された現地に赴いたり、当事者のみならず関係者にも話を求めたりと、長篇《縁怨》は怪奇ドキュメンタリーとしてまあまあ見応えのある内容になっている。被写体となった人物を災厄が見舞い、取材の過程で他にも怪異を記録した映像が見つかる、など“影響”が広がっていくさまはおぞましい――肝心の怪奇映像のチープさがどうしても残念だけど、少なくともホラーコンテンツとしては一定の面白さは味わえる。
色々と文句をつけたいところはあるけれど、この巻くらいなら許容範囲内。シチュエーションの工夫は感じるので、映り込むものに傾向を感じさせない、リアリティを付与できるようになれば、もっとインパクトを残せるのではなかろうか。
顔が爛れた人ばかりなのね。[レンタルDVD鑑賞日記その897]

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