平日なのに二本立て。

 真面目にハシゴしてきました――但し劇場は同じ。通常のロードショー枠最終回で観て、直後に始まるレイトショーを続けて鑑賞した体なので、気分としては二本立て、でも料金はちゃんと二本分。最たる目的はレイトショーのほうで、その前に観るものは当初別に二本候補を用意していたのですが、一本は移動時間に余裕はあるけど同じ地区でも特に遠い小屋にかかっていて、もう一本は目と鼻の先の劇場だけど移動時間がわずか五分。どっちにしてもしんどいので楽を採りました。

 場所は渋谷、PARCO3の8階にあるシネクイント。『マシニスト』以来なので四ヶ月ぶりの訪問です。もともと別の候補二作品を想定して現地入りしたのですが、ここでかかっているロードショー最終回までは若干余裕があるので、チラシをじっくり渉猟してみる。単館作品中心でも幾つか大作が混じっていて、そんななかに『ルパン』も混じっていた。それを眺めていた女の子ふたりの会話。

「へー、これ実写映画化するんだ。漫画のイメージ強いけど大丈夫かな」

「わたし、不二子ちゃん出てないと厭だなー」

次元は誰がやるんだろうね」

 ツッコミてえ。

 激しくツッコミてえ。

 悩んでいるうちにタイミングを逃してしまいましたが、あと数秒あったらどう思われようと構わずツッコんでいたことでしょう。ていうかちゃんとチラシ見りゃ別物だと気づくだろうが君ら。仮にボケだったとしてもその場で回収しろ思わず聞いてしまった人間の身にもなれいっ!

 ……気を取り直して。

 最初の作品は、新人監督が超個性派芸人・鳥肌実を主演に迎えて描く、世にも不器用で孤独で不幸な青年のちょっとだけいい話タナカヒロシのすべて』(PHANTOM FILMProgressive Pictures・配給)。万一機会があったら観よう、程度の興味だったので鑑賞希望一覧にも加えていなかった作品だったのですが、これは結構いい作品でした。引きこもり気味だったり働く気力の湧かない若者を引っ張り出して見せてあげたい。詳しい感想は後日、このへんに

 観賞後、いったんスクリーンを出てロビーにて待機。思わず先程の女の子ふたりを目で探してみましたが、どうもはやばやと出て行ってしまったか、そもそも前売り券など別の用事で来ていたのか姿は見当たらず。非常にモヤモヤした気分を味わいましたが、ネタになるので良し、と自分を納得させる。

 ふたたび劇場に戻っての二本目は、各種映画祭で話題となった“究極のデッドエンド・スリラー”-less[レス]』(KLOCK WORX・配給)。結末自体は思いっ切り予備知識からの推理どおりでしたが、過程の緊迫感・恐怖感がとにかく絶品で、ホラー映画としては素晴らしい収穫。詳しい感想はタナカヒロシさんのあとで、こちらあたりにアップいたします。

 ちなみに次で今年60本目。……だから、早すぎだって。

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