『まんが日本昔ばなし』第十七回

 なんと先月15日放送分の感想をいまごろアップ。録画したまま観るのを忘れてたんです……だって、その後放送がないものだからさー。

 その男の子はいくら月日を経ても小さいままで、一寸法師と呼ばれるようになった。躰こそ小さいが元気で食欲旺盛な彼は、都に憧れて川を辿って旅をする。やがて着いた京で、法師はとある屋敷で仕えることになる……

 誰もが知っているあの話を基本にとても忠実に、丁寧に作りあげている、それだけで好感の持てる一本。何故一寸なのか何故都へ出るのか、というところを追求するとまた別の深淵が垣間見えそうな話なのですが、とりあえずこのシリーズにそんな七めんどくさい解釈は不要です。

  • 『きつね女房』

 農村で働くなりのぶという男がある日、病に苦しんでいる女を見つけて介抱した。恢復したのち、甲斐甲斐しく仕事を手伝うようになった女はやがて、行く宛のない自分を置いて欲しいと言い出した。なりのぶは了解し、ほどなくふたりは夫婦となるが……

 これもベースは有名……というより、異類婚姻譚の基本をなぞってます。異類婚姻譚は約束として正体がばれたらたとえ愛しあっていようと離れなければならない、というのがルールではありますが、それにしてもこの話は素朴であるだけに切ない。そのうえ最後にああいう捻りがあるのだから狡いほど余韻が深まってます。シンプルだけれど美しさの伝わる絵柄とも相俟って、見事な傑作に仕上がってます。

 次回は来週、12日。良かった、駆け込みで見る羽目にならずに済んだ。

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