レンタルDVD鑑賞日記その313。

 実は日本で紹介される以前に予告篇を目にしていて、やたらと気になっていた1本。夏頃にDVDリリースされていたので、今回借りてみました。悪魔祓いの最中に聖職者たちを殺害した、という母親をもつ女性が、悪魔とエクソシストというものの実態を知るためにローマを訪れる、という趣旨で描かれる、フェイク・ドキュメンタリー・スタイルのオカルト映画。

 imdbでの点数は芳しくないのでどうだろう、と身構えてましたが、なかなかどうして、けっこう出来はいい。『ザ・ライト』のような品性も映像センスもない代わりに、低予算だからこその生々しさがある。様々な要素が投げっぱなしになっていたり、映画にすることを意図していたとはいえちょっとカメラ多すぎだろ、という疑問もありますが、しかしその辺が関係者の表情を克明に辿りつつも、割り切れない不気味さを滲ませている。たぶん、もし悪魔が憑依し、超常現象でひとびとを悩ませるのだとしたら、その過程はこんなふうに見えるだろう、という雰囲気はきちんと再現している。

 劇場未公開に終わったのは……しかしまあ、絵的には地味なので、DVDであっても観られただけでよしとしよう。愉しみにしていても届く気配さえ見せない作品だってたくさんあるんだし。

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