スニーク試写会→ついでにもう一本。

 夕方から例によって例の如く某氏を呼び出して、新宿にて開催される試写会に赴きました。……また当たったんです。ほんとーに最近頻繁です。ちょっと怖い。しかも会場は先日、『サウンド・オブ・サンダー』を鑑賞したのと同じ明治安田生命ホール。二度目なので移動に迷いはしなかったが。

 今回はスニーク試写会――招待状に作品名が明記されておらず、会場に着くまでのお楽しみ、というシステムを採用していますが、しかしこちとら無類の映画好きにしてクイーンを信奉するミステリ愛好家であります。招待状に記された情報だけでだいたい見当はつけていましたが、案の定でした。ジョン・ル・カレの同題小説を、『シティ・オブ・ゴッド』で一躍世界にその名を知らしめたフェルナンド・メイレレス監督が映画化、レイチェル・ワイズ助演女優賞をはじめ様々な映画賞に輝いたミステリータッチのドラマナイロビの蜂』(GAGA communications・配給)。これのプレゼントに応募したときはとんでもないB級作品が来ても仕方ないか、ぐらいの気持ちでいただけに、嬉しい誤算でした。不安すら抱いていませんでしたが、やはり映像感覚、編集技術、演技の質など極上の一本。強いて言うなら、小説原作の映画にありがちな詰め込みすぎの傾向が序盤に強く、ちょっとダレ気味だったのが残念ですが、そんな不満はこの結末の前では無意味です。広告で謳われているような感動作とは微妙に違いますが、噛みしめれば噛みしめるほど余韻の強まる名作。正式な公開は来月中旬だそうですが、これは素直にお勧めします。詳しい感想は後日、こちらにアップします。

 その後、紀伊國屋書店の新宿南店に向かう某氏と高島屋の下でお別れして、わたしはそのまま上階へ。今週は平日に観ていないので飢えておりますゆえ、時間の都合がつく作品でハシゴするつもりで来たのです。本日公開作のなかでわたしにとって最大のお目当てである『the EYE2』は時間の調整がつかないので泣く泣く後日に送りつつ、しかしこっちもなるべく観ておきたかったジョニー・デップ最新作、17世紀に実在した詩人の狂気と反骨精神に満ちた半生を描くドラマリバティーン』(media suits・配給)を鑑賞。さすがに固定ファンの多いジョニー・デップ作品だけあって、一番遅い回にも拘わらずけっこうな人の入りでした。肝心の中身は――異常なまでに支離滅裂、ですがその破綻ぶりが見事に主人公ジョン・ウィルモットの“魅力”を伝えている。奔放に女を抱き、素面でいるときがなく、数々の無謀を働きながらも他者を惹きつけずにおかない男の狂った生き様が見事に描かれている。とりわけ印象的な前口上と締め括りだけでも観る価値があります。非常に癖が強く、一貫したテーマもなければ教訓も齎さないので、好き嫌いが激しく分かれるでしょうが、極めて背徳的な魅力に富んでいることだけは誰にも否定できない一本。こちらも見応えがありました。詳しい感想は上の作品のあとぐらいに、このへんにアップいたします。

 すっかり満足しました――が、こういうハシゴの仕方は食事のタイミングに困ります。高島屋のレストラン街で軽食を買って、予告編のあいだに急ぎ食べたもののどうにも物足りなく、結局家でお茶漬けを食べてよーやく落ち着きました。

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