『電脳コイル』第10話 カンナの日記

 肝試しは、校内に潜入したサッチーを勇子が破壊する、という異様な光景で終結する。その姿に、さすがにダイチたちも異常を実感し始めるが、既に黒客クラブを牛耳っていた勇子はダイチを追放してしまった。ダイチは一緒に抜けてきたデンパとともに新たに元祖黒客クラブを結成し、他方優子たちはハラケンのかつての女友達・カンナの事故に関する調査を続ける……

 いよいよ『少年探偵団』電脳版、の趣を強めてきました。何やら企みを孕んで暗躍する勇子、そんな彼女に逐われて単独行動を始めるダイチ、そしてカンナという少女の死にまつわる謎を本格的に追い始める。その背後で蠢く幾つもの思惑。ジュヴナイルとしての線を外すことなく展開される重厚な物語性がいい。

 にしても、ようやく優子が――こういう表現はあんまり好きじゃないんですが――“等身大”の少女としての顔を強めて、存在感を増してきました。正直、回想の風景はけっこう簡単に底が割れそうですが、その記憶にときめき、ハラケンの存在を重ねて羞じらい、更に発見を巡る行動で繊細な一面を示す。今回も奥行きのある言動をしてみせた勇子にはまだ追いつけないまでも、追い上げの気配を見せております。そう考えると、キャラクターが際立っていない段階でも雰囲気を出すことの出来る折笠富美子の起用は絶妙だったんだなー。

 で、これだけ盛り上げておいて次週はなんかまた意表をついた話運びになるようで。いい意味で予測不可能な展開が嬉しくて堪りません。やっぱりこれはDVD押さえておこうかなー……今年後半からまた買う本数増えそうでいやなんだけどなー……

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