『みなみけ』第1話 南さんちの三姉妹

 奇妙な力関係にある南家の三姉妹。長女・春香は家事万能だがどこか抜けていて、帰りが遅いからと言って料理下手な次女・夏奈に任せてしまったりする。で生真面目でツッコミの鋭い三女・千秋を手伝いに駆り出すが粗雑な材料選びでけっきょく自らの首を絞めるのであった。そんな感じで次女がトラブルメーカーの役割を果たして、南家は毎日なかなか騒々しい。

 原作より背景が多い! それだけで充分という気がするんだが違うか?!

 OP前にああだこうだ言っているのにまず受けてしまいましたが、もともと何かを過度に期待されていないからこそ面白い作品だったので、実は原作との比較でどうこう言いようのない、ある意味でとても有利な代物だったりします。何となくドタバタ度の高い『苺ましまろ』という趣、っていうかアニメを作っている側の基本精神はそうだとしか思えない。

 これで原作より背景は多いし絵は今のところ高水準で安定しているので、とりあえず原作を知っている目から問題はない。単品としては……その筋のない構成が受け入れられるか否かであっさりと評価が分かれるでしょう。

 が、とりあえず第1回だから、というのはあるでしょうが、無駄に表現上で凝っているのが個人的には好感触です。特にBパート、学校から一目散に帰宅した夏奈の動きを、普通アニメではあり得ない旋回するカメラワークで追っているあたりの無意味な力の入りようが素敵です。

 第1話の印象は『もっけ』よりも良好です。次回以降もここまで凝ったことをする、とはさすがに思えませんが、少なくとも作風に相応しい力の籠め方をしているので、当面は追ってみましょう。しかし……原作通りではあるが、藤岡くん可哀想に。

 ところでこれ、そう長々と出来る作風ではないので1クールだろう、と踏んでいたのですが、公式サイトを見ると、スタッフを入れ替えての続編がもう決まってるのね。こういう発想は嫌いではない。

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