『ガリレオ』第二章 離脱(ぬけ)る

 自宅で殺害された女。疑われた男のアリバイを証明するのは、何と熱で寝込み“幽体離脱”していたと称する少年の言葉だった。他の刑事は取り合わないが、内海だけは万一を考えて湯川の助力を仰ぐ。相変わらず犯人はどうでもいい、謎だけに関心があるという態度の湯川が飄然としているなか、“幽体離脱”したという少年の親がマスコミに訴えて、事態は紛糾する……

 やっぱり原作があって、ある程度スタッフの配慮が行き届いていると、それだけで芯が通るようです。福山雅治演じる教授の奇矯なキャラクター、事件のしっかりとした骨格、この二点だけで充分に面白い。

 テレビドラマの謎解きモノは大抵密室などの基本要素に執着しすぎて破綻したり、そこ以外に骨のない代物になりがちですが、この作品にはちゃんと謎が生じる“背景”を取り上げ、物語に奥行きをもたらしている。今回の場合、“幽体離脱”というモチーフが表出してきた理由にあります。提示の仕方がシンプルすぎてすれっからしにはあらかた察しがつくでしょうけれど、筋を通しているから引っ張る力を損なわない。

 ゲストに北陽の虻川というのが若干気懸かりでしたが、事件そのものに直接絡みはしないものの話の流れにおいて鍵となる役割で、なかなかいい雰囲気を出してました。配役としても悪くない。ゲストの使い方さえ間違えなければもうほとんど不安のない基盤が出来上がっているので、今後も楽しみです。

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