『3年B組金八先生第8期』第21回

 いよいよ卒業式。担任を降ろされた金八先生は、更に別の週刊誌が取材に動いていることを考慮した校長の指示で、卒業式への出席までも禁じられてしまう。美香や生徒達のことを考えてその指示を受け入れた金八先生だったが、生徒達は激昂し、何とか先生が出席できるように署名運動を始める。そもそも担任を降ろされた原因が自分と、代議士である父親の策動にあると知った美香は、罪悪感から署名運動への参加を遠慮するが……

 いよいよクライマックス。生徒達の進路問題もひととおり決着したものの、まだ燻っている金八先生のスキャンダルに対し、生徒達がリアクションを起こす。正しくないかも知れないが決して間違いではない、という強い意志の示し方、そして終盤の行動において、彼らに金八先生が施した教育がそのまま跳ね返ってくるという、実に巧みな伏線の効果が凄まじい。改めて、前シリーズまでの派手さはありませんが、しかし作品としての完成度は第5期に肉薄すると実感します。

 これだけ丁寧に作っているのですから、ラストもいつも通り2時間でじっくり描いて欲しかったところですが、番組表を見ると1時間らしい――まあ、視聴率的にはそうせざるを得ないのでしょうけれど、きちんと作ったドラマをこういう扱いにしか出来ないのがいまのTBSの限界なのでしょう。まあ何はともあれ、丹念に構築してきたドラマの結末、心して見届けるとしましょう――何だかんだ言って最後にはこれまででいちばん安心して見続けていられたシリーズになったなー。

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