新耳袋トークライブ61

 昨晩、自宅にて『鉄腕バーディー DECODE』をリアルタイムで鑑賞したのち、感想を書く余裕もなく電車にて新宿へ移動。今回は、毎度同行していたN氏が別に組んでいた用事が翌日に来てしまったためやむなく欠席、別の人を捜す時間もなく、久々にひとりでの鑑賞です。本を読んだり携帯電話で文章を作ったりして時間を潰していると、あっという間にスタート。

 まずは木原浩勝氏が単独で登壇して宣伝。さすがに夏休み間近とあって、冒頭の宣伝もかなりの分量に上っていますが、基本的に怪談絡みから外れないので有益でした。この夏は特に量が多く、今月頭まで執筆に四苦八苦されていたそうです。その成果は今月末と来月頭に刊行予定。

 しかし宣伝パートでいちばん湧いたのは、先日私も購入した妖怪プロジェクトでした。実はこれの、近日発売される最新アルバムには木原氏がヴォーカルとして参加されているために以前から押していたものだったのですが、湧いたのはシングルに同梱されているPVが上映されたときです。あまりのシュールさに曲の印象が薄れる! 京極夏彦氏の、とても作家とは思えない堂に入った歌声も、氏の手が入った歌詞も秀逸なのに、PVが凄すぎて記憶に残らないーっ! これのためだけにシングルを買ってもきっと惜しくありません。

 続いて、映画秘宝のメンバーや映像版新耳袋の関係者が一斉に登壇して、来月発売予定の『新耳袋殴り込み』映像版についてのレポート。前回の途中で、これの撮影を某所で行った直後の面々に直接電話をかける、という企画があり、その際あまりに出来上がっていたために会場ではかなり不興を買っていたのですが、話を聞くとそれもやむないことで――飲んでなきゃやってられないくらい怖かった模様。実際、相当な収穫があって、長篇心霊ドキュメンタリーの形で編集を済ませたものの当該部分を上映したときの会場の沸きようは、昨年発見された“廃病院の少女”の映像に匹敵するものがありました。他にも色々と収穫があったそうで、来月に発売されるこの映像版と、書籍版『新耳袋殴り込み』の続篇はかなり楽しみです。しかし、どれほど見せても、出来が良ければここの面子はちゃんと買うんですから、あんまり思わせぶりにするのは逆効果だといい加減に気づきましょう映画秘宝の人々。

 大勢のゲストが引き上げたあとは、木原氏とすっかりレギュラー化した某グラビアアイドルと、こちらもコメント中心ながら頻繁に顔を見せるミュージシャンの3名で進行。木原氏が今月頭まで格闘していたという新しい単著『九十九怪談』と、昨年以来ずーっと気を吐いていた某グラビアアイドルが自らの経験談を自らの筆で書き上げ、木原氏が彼女の持ち味を壊さぬよう校正を施した待望のデビュー作に収録した、ライブ未公開のエピソードを中心に紹介していく流れ。某嬢が初めて語ったとき、会場を恐怖ではなく爆笑が包んだ連作ものの未発表分であるとか、木原氏の新著に収録した短くも味のある話を中心に、かなり実の詰まった流れ。

 最後は、ここに来て某嬢が久々に思い出したという大作ネタと、木原氏が『小説すばる』に寄稿したという、『新耳袋』では避けてきた呪い絡みの内容を含む重いネタで締め。……それにしても某嬢は、本当によく今日まで生き長らえてきたものだと感心します。今日話したネタの幾つか、普通なら“死亡フラグ”に相当するんだが。

 というわけで、夏の第一回らしくかなり充実した内容でした。本日告知された書籍の発売が今から楽しみでしょうがない。……ひとつ、無性に気になることがなおざりにされてしまいましたが、まあ追求はしないでおこう……。

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