レンタルDVD鑑賞日記その81。

  • 『ナンバーズ―天才数学者の事件ファイル― シーズン1 Vol.2』(Paramount Pictures Japan)
    • 第4話『危険な高層ビル』

 鉄橋の下で無惨な屍体となって発見された青年。FBI捜査官であるドン・エプスらは当初自殺と目していたが、弟の数学者チャールズは落下の状況から、落下した時点で死んでいた――殺人の可能性を示唆する。やがて彼らは、死者が生前、あるビルディングの重大な問題点を指摘していた事実を探り出す……

 3話までは現在進行形の事件について、追いつ追われつの捜査を繰り広げるパターンが続いていましたが、ここに来て初めて、過去の出来事について探り出す、オーソドックスな謎解きになってます。相変わらず詳しい理論について視聴者に提示することはせず、チャールズの駆使する理論が次第に事実を炙り出していく、というスタイルは一貫している。

 シリーズものらしく、このあたりからレギュラーキャラクターたちの言動に過去を仄めかしたり、今後の変化を暗示するようなものもちりばめられてきました。今のところ本筋を妨害してはいませんが、たとえば『Dr.HOUSE』のように著しく入り組んでいくやり方はこのシリーズには向かないように思えます。どう処理していくのだろう。

    • 第5話『少女誘拐事件』

 誕生パーティに呼ばれたピエロたちが、主役である5歳の少女を誘拐した。交換条件は、少女の父親が導き出したというリーマン予想の解法。自らの知力を頼みに、FBIやチャールズたちの協力を拒む父親であったが、しかし思わぬ障害が立ちはだかり……

 ふたたび現在進行形の事件を巡るサスペンスです。特徴的なのは、捜査官たちの介入を拒む家族と、誘拐犯の要求するもの。この2点だけで見事なほど、従来の誘拐ものとは異なった風合いを醸し出している。

 ただ惜しむらくは、多くの天才が挑みながら解き明かすことの出来なかった難問を、ものすごーく軽く扱っているように見えてしまうことです。実際はそんなつもりはない、というのは解るんですが……まあ、致し方のないところか。あとはもう少し犯人側の人物像に工夫が欲しかったところですが、出だしのアイディアの素晴らしさだけでも充分に見応えはありました。

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