都合4本立てはきつすぎた。(含む爆笑問題withタイタンシネマライブ#22)

 TOHOシネマズの1ヶ月間フリーパスも残すところあと3日。ちょうど今日は観たい作品がまとめて封切られる日でもあり、2本立て以上にはするつもりでした。しかも、予めチケットを購入してあった、2ヶ月にいちどの爆笑問題withタイタンシネマライブも重なっている。何とかスケジュールをやりくりして3本立てにして一気に片付けたい――と思っていたら、どうにもうまく噛み合わない。唯一、綺麗に構成する方法は、あいだに1本挟むことでした。すっかり映画馬鹿と化している私でも4本立てというのは覚えがない――実は都合5本観た夜があるんですが、あれはうち3本が映画祭のオールナイト企画だったので、それぞれ別個に上映されているものを自分の意志で続けて観る、というやり方で4本はたぶん初めて。スケジュールを組んではみたものの、さすがにこれは辛いだろ、と自分でも尻込みしておりましたが、しかし悩んだ結果、あとに心残りにしないためにはこれがいちばんいい、と踏ん切りをつけて、朝からお出かけ。

 その気になれば六本木でぜんぶ済ませられるのですが、それではちょっと芸がない、というか、いくらなんでもひとつの劇場に12時間もいるのは考えただけでうんざりするので、まずは有楽町のTOHOシネマズ日劇へ。この新作はどうせ観るなら出来るだけ大きなスクリーンで、という考えもあったんですが、実は日劇ではやや小さめのスクリーン3で上映される、とチケットを確保してから気づいて、若干しょんぼり。まあ、座席の間隔が狭いこと以外はなかなかの劇場なのでいいとしようか!

 長丁場のオープニングとなる1本目は、アメコミ・アクションシリーズの第3作、『アベンジャーズ』の戦いの影響に苦しむヒーローの姿も織りこんだアイアンマン3(3D・字幕)』(Walt Disney Studios Japan配給)

 もともとロバート・ダウニーJr.の軽妙な話術を軸とする洒脱さが他のヒーローものとは一線を画した面白さが気に入っていたシリーズですが、個人的にはこれが最高傑作だ、と本気で思います。やや深刻な背景が横たわっていながら、従来の陽性のタッチも損なっていない。他のアメコミ原作映画とも異なる犯人像も印象的で、クライマックスの派手さは『アベンジャーズ』に劣らない。最高でした。

 本日は母が作ってくれた弁当があるので、どこかベンチにでも陣取って食事を――と考えて探すと、適当なところがなかなか見つからない。日比谷公園は常連で埋めつくされているでしょうし、そもそも自転車を駐めづらいと来ている。やむなく次の目的地である六本木にひとまず赴き、鑑賞予定作品のチケットを確保してから、付近で場所探しをしました。……お洒落なバーとかが並ぶ一画のテーブルを利用しました。平日といえど、ちょうどヒルズ10周年の特別展示が始まっていたりするなかゆえに人通りはそこそこあり、そのど真ん中で持参の弁当を掻き込む、というのはけっこー辛いものが……。

 ……気を取り直して映画館に戻り、鑑賞した本日2本目は、アーティスト村上隆初の監督作品、震災で父親を失った少年が、引っ越し先で出逢った不思議な生き物との交流と冒険を描くめめめのくらげ』(GAGA配給)。もともとそんなに興味はなかったんですが、六本木ヒルズでは前々からこれの展示をしていて、予告篇を観る限り、CGの完成度は高いようですし、まあ善し悪しを判断するためにも、フリーパスを活用しておくか、程度の気持ちで、本当に観たい作品のあいだの時間潰しに選んだのですが……

 このブログをよくご覧になる方はお気づきでしょうが、私はふだん、こういう書き方はしません。なるべく評価するべきところは評価したい、という立ち位置でいよう、と考えているので。でも、本篇についてはこう言わざるを得ません。“駄作”です。話がまったく繋がらず、説得力がまるでない。感動させたいんでしょうが、そのための裏打ちが雑で、全然といっていいほど共感できない。ヴィジュアルはそこそこ整っていますし、斎藤工の肉体美とかクライマックスの華やかさとか、褒めたい部分もないではないんですが、それがぜんぶ無意味になるくらい、話も演出もなっていない。本気で、私がこれまでに観てきた映画のなかでも、下から数えたほうがいいくらいの駄目な作品でした。何とか評価できるところを見つけようと、話の不出来さ故に襲いかかる眠気をどうにか耐え忍びましたが、無駄な努力でした……。

 ややどんよりした気分で、少しだけ劇場を出て、コンビニで軽い食事を購入してからふたたび戻り、鑑賞した3本目は、『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニク監督&ブラッド・ピット主演のコンビが描く、今まで見なかったタイプの暗殺者の物語ジャッキー・コーガン』(Presidio配給)。『ジェシー〜』はけっこう好きな作品ゆえ、『アイアンマン3』以上に愉しみにしていた作品です。

 ……が、これは観る順番を間違えました。てっきり緊迫感のある犯罪ドラマかと思いきや、犯罪をモチーフにした会話と、一風変わった暗殺者の仕事ぶりを淡々と描いた、いい意味で穏やかな仕上がり。描写は間違いなくクールで、プログラムにもある通り、ニュー・シネマの遺伝子を持つブラピが舵取りをした作品ならでは、というムードが味わい深い……のですが、先に観た映画で眠気の昂進していた私にはきつかった。必死に耐えようとしたものの、途中で意識が途切れ、思うに10分から20分くらい、寝落ちしてしまったようです。あああ悔しい、万全、といかなくとも、余裕があれば最後まで痺れていられた秀作の手応えがあったのに。

 嘆きを引きずりつつ、またちょこっと時間を置いて、いよいよ本日のトリ、『爆笑問題withタイタンシネマライブ#22』です。

 毎度トップバッターのウエストランドが少し後に回り、珍しくゆりありくが先鋒を務める、という変わった編成ですが、しかしどんどん場が温まっていく、絶好の展開に。私はよく知らなかったトップリードが予想外に嵌まったり、R−1で優勝したもののテレビではいまひとつ振るわない印象の三浦マイルドがこういう場だからこその強みを発揮していたり、と見所がふんだんでした。私としては、バナナマンにも通じる安定した巧さを示す東京03が好み。ちなみに長井秀和はいつも通りでした。いつも通りすぎでした。

 もうそろそろ眠気でだいぶふらついてきているものの、内容が充実していたおかけでシネマライブの途中で寝入ることもなく、若干眠気も取れて、無事に帰宅。朝の9時55分から21時45分まで、という、好きでもしんどい長丁場を乗り切りました――無事に、とは言い難いですが。

 それにしても、『ジャッキー・コーガン』の途中で寝入ったのがとにかく口惜しい。日曜日はたぶん映画館まで出かけるのが難しいので、フリーパスでの鑑賞は明日で最後にするつもりであり、大トリには敬愛するあの方の映画の再鑑賞を持って来よう、と考えていたのですが、そっちはやめて、『ジャッキー・コーガン』を仕切り直してこようか、と思ってます。……どっちみち、明日も最低2本は観るつもり、ということだ!

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