『怪談新耳袋殴り込み!劇場版<魔界編>【後編】』初日舞台挨拶つき上映。

……こっち見てます?  今週も行って参りました、怪談新耳袋殴り込み!劇場版<魔界編>【後編】』(日本出版販売配給)初日上映。きのう、『ベン・ハー』を観たあと、わざわさ脚を伸ばしてチケットを押さえてありました。

 例によって新耳Gメンの舞台挨拶があるわけですが、本日は先週とちょっと面子が異なる。ギンティ小林氏に市川力夫現場監督、青木勝紀仕上げ監督、後藤剛社長にはちとわらびんに、先週は欠席した撮影担当の今宮健太氏、本篇には登場していませんが<地獄編>含む今年の4作品で編集を務めた佐藤周氏が登壇。その代わり、プロデューサーの山口幸彦氏の姿がありません。この状態でトークが始まって、改めて気づいたことがある。

 ギンティさん、話をまとめるの下手。

 色々と多彩な表現を用いて膨らませようとはしているのですが、そもそも持ち出そうとした話になかなか戻らず、いつの間にか立ち消えになっている、というのが多い。山口氏が司会も兼ねて登壇しているときは、その脱線を軌道修正して、多少は本来の話に戻ってくれるのですが、如何せん今日の面子ではギンティ氏が口数でもでしゃばりっぷりでも突出していて、誰も制御出来ない。いちおう、なるべくメモを取っていた私ですが、当初の話が見えなくなるパターンが多すぎて整理がつきませんでした。山口さんがいないからそれぞれにイヤな思い出を、とせっかく自分から振ったのにやたらと脱線させて力夫監督と青木監督しか喋らせてないし、先週は登壇しなかったお二人にもろくに振ってない、という有様。個人的には、こういう場には山口氏が必要だと思います。さもなければ木原浩勝氏を呼ぶとか。まあ、脱線しがちなのは前から感じていることでしたし、解っていたので私は楽しめましたが。

 そしていよいよ本篇。トークのなかで、取材終了後に山口Pが「これを上映して大丈夫なのか」と不安を漏らしたり、「途中で席を立っても僕たち傷つきません」とギンティ氏が断言したり、とスタッフはある意味自信ありげでしたが、それも納得。ファイル003まではいいんですが、ラストがとにかく阿鼻叫喚の有様。席を立ったりしたひとはいなかったようで、むしろこのラストファイルのミッション中、ほとんど笑いが途絶えなかった。先だっての新耳袋トークライブにてギンティ氏らが自信を窺わせていた最後の映像も、一瞬見ただけでは「これだけ?」というのが正直なところなんですが、撮影の環境や前後の事情を考えると、かなりとんでもない絵が撮れているのが解る。エピソードとしては【前編】の2本目が白眉だ、と思いますが、新耳Gメンの仕事、という意味では間違いなくこの【後編】のラストが最高傑作。

 ちなみに今日の舞台挨拶、最後に何とGメンから観客側にミッションを課す、という趣向がありました。売れ行きが苦戦している、という『新耳袋殴り込み!』の文庫を託され布教に努めることと、そのあとの上映中、はちを抱えて一緒に鑑賞する、というもの。力夫監督とじゃんけんをして、最後まで負け残った方がこの使命を課せられることになったのですが……結果、残った方が喜んでいたのはちょっと企画として失敗していた気がする。本来のやり方に沿って、まず「やりたくない」というひとを絞り出してから、そのひとたちに敢えてやらせるぐらいの……ってさすがにあんまりか。なお、私ははちを抱えて観るぐらいなら本気で喜んで引き受けましたが、既に文庫を買って読んでしかも感想まで書いているので、やっぱり選ばれなくて良かった。これ以上誰になにをどう布教せえと。

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