爆笑問題withタイタンシネマライブ#25プラス1。

 本日は2ヶ月にいちどのお楽しみ、タイタンシネマライブです。このところ毎日予定がキツキツでなかなか映画鑑賞が出来ず、今日も観たい作品が封切られるので、当初は最優先作品が上映されている豊洲から六本木への強引なハシゴ・スケジュールを組んでいた、のですが、昼寝の際に仕掛けたはずの目覚ましに私が反応出来ず、気づけば家を出ねばならない時間を過ぎていた。しかし、こういうことも考えて第2候補も用意してある。第2候補はさすがに強引な移動は出来ないので、六本木へと直行です。

 本命の前に鑑賞した1本目は、『第9地区』で一気に世界的な注目を集めたニール・ブロムカンプ監督のハリウッド進出作、富裕層は宇宙ステーションに移住、貧しい人々だけが取り残された地球から、死の淵に瀕した男が起死回生を賭けて冒険に挑むSFサスペンスエリジウム』(Sony Pictures Entertainment配給)。もちろんこれも、早めに鑑賞しておくべき1本ではあったんですけどね。

 独創性の塊だった『第9地区』と比べると、モチーフのほとんどに既視感を覚えるんですが、現実社会のメタファーを籠めた実感的な構造が見事。SF的ガジェットの武骨ぶりと快い無駄遣い、シャルト・コプリーの清々しいまでの悪党っぷりなど、『第9地区』とも通じる世界観の完成度はやはりすごい。マット・デイモン演じる主人公が本質的に凡人であることが、クライマックスのドラマをよけい鮮烈にしています。ありがちであるからこそ、この監督の才能が本物であることが解る。大傑作ではないけれど、SF映画の一級品でした。

 続く本題は奇しくも同じスクリーンなので、出ないでそのまま待つ……ということは出来ないので、空き時間のあいだに軽食を買ってきました。それでも、上映開始前のツインタワーの前説にもちゃんと間に合ったぞ。

 そしていよいよ本篇。毎度ながら序盤はタイタン所属の芸人のネタが続きます……が、正直、3組目までは不調。ウエストランドはなまじ露出が増えているせいか、己のネタの緩さに対する危機感みたいなものが薄れて、悪い意味でぬるくなっている印象ですし、ゆりありくを中心とするおさるSUNクローザーsixは既に戦隊ものから遠のいてしまい、りく以外の猿の芸がいまひとつなのがただネックになってしまってる。瞬間メタルは……いつも通りという気もするんですが。

 雰囲気を改善したのは続く日本エレキテル連合でした。コテコテでアブノーマル、しかしちゃんと計算されたネタの構成に、ハプニングもある程度まで吸収する反応の良さで、きっちり場を暖めてくれました。タイタンのなかでは現在ウエストランドと競い合っている、みたいな話を最後の挨拶でしていましたが、私は完全に彼女たちのほうが上だと思う。

 ここから3組連続でゲストです。ウーマンラッシュアワーは怒濤のような早口でほとんど隙のない構成で会場を更に沸かせたかと思うと、続くジグザグジギーが一気に爆発させた。伏線も活かした構成になっていて、このコンビ、こんなに巧かったのか、とちょっと感心。そのあとのマシンガンズはキレ芸を相方に向ける、といういつもと違った趣向ながら、いい意味で楽屋っぽい空気が愉しかった。

 宮地大介はいきなりの女装で度肝を抜いたもののネタの仕上がりは安定。最近パックンの露出が多いパックンマックンは、その事実をキモに綺麗にまとめてきました。このあとで長井秀和、というのがちょっと怖かったんですが、今回は久々にパントマイムのみで、場の雰囲気を壊さずにいてくれて一安心――ただ、どうも最後のトークから推測すると、『エンタの神様』以来の縁である桜塚やっくんの死に影響されていたのかも。12月に行う予定だった芝居が、別キャストで上演されることになったとかで、そのことに言及していましたが、いつになく殊勝な口振りでした。まあ、こういう話があるのに、いつものネタは出来んわね。

 続いては久々登場のアンガールズ。最近は田中の気持ち悪さばかりがテレビで際立ってしまってますが、やっぱりネタもいいのです。ショートコントで披露する微妙なやり取りを交えつつ、会話がきちんと線になっていく語りの面白さも演出している。……このあとがBOOMER&プリンプリンだったので、よけいにネタの完成度が際立ってたし。どうして衣裳忘れるんだプリンプリン田中は。

 トリはいつも通りに爆笑問題。時事ネタ、それもついきのうの出来事までちゃんと盛り込むあたりのセンスに、恐らく早い段階で用意してあったネタに、少々際どい話まで絡めて突っこんでいく、堂々たる安定感。何だかんだで、このふたりが最後にやってくれるから締まるのです、このライブは。

 最後のトークは珍しく余裕がたっぷりあった、はずなのに、機材の不具合で時間が確認できず、せっかくのゲストのトークは削り気味、そして12月の回のスペシャル・ゲストを大々的にお披露目するくだりも駆け足になってしまったのが残念ですが、まあそこも含めてのライブ。2ヶ月後も万障繰り合わせて参加します。

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