テレビ発の異端の映画を2本立てで。

 昨日ようやく宿題を1本片付けたばかり、今日はまだ仕上げに届いていないというのに、また宿題を2本増やしてきてしまいました。もうしょうがない。観たいものが溜まりすぎているんだもの。感想は作業と映画鑑賞の合間を縫ってちまちま片付けていくので、とうぶんは「いまごろ感想アップしてやんの」と生暖かい目で見ていていただきたい。

 と、華麗に開き直ったところで、午後からお出かけ。目的地は池袋、陽気も良いので自転車で出かけたいところですが、道中の起伏が激しく、かつ駐輪出来る場所が劇場の位置からすると微妙なので、余計な体力を使うよりは、と電車を利用しました。

 それにしても、池袋で映画を観るのは久しぶりです。どのくらいぶりか、と思って調べてみたら、2012年1月に観たの『ダーク・フェアリー』が最後ですから、実に1年と9ヶ月ちょっとのご無沙汰……。最初に訪れた池袋HUMAXシネマズに至っては2009年の『ディア・ドクター』以来ですから、そりゃあスクリーンの数だって増えるよ!

 導かれたのが地下に増設されたシネマ5で、その小綺麗さにビックリしつつ鑑賞した本日1本目は、テレビ東京深夜の人気バラエティ番組まさかの映画化第2弾、スタッフの仕掛けるシチュエーションに劇団ひとりが全篇アドリブで挑むゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE2 サイキック・ラブ』(東宝映像事業部配給)。前作以降、もととなった番組はすっかりファンになってますし、特典欲しさで珍しく前売り券も購入してあったので、これはどーしても観逃したくなかった。

 前作より規模も劇団ひとりのアドリブも進化、という言葉に嘘はない。キャストも豪華なら徹底して準備された仕掛けも緻密、しかしそこに乗っかりつつも時としてひっくり返してしまう劇団ひとりのアドリブにひたすら魅せられる2時間。スタッフと出演者それぞれが探り探りで物語を組み上げていくせめぎ合いを感じながら楽しむのがいいんですが、そのスリルと興奮が前作よりも凄い。スタッフが用意していた物語の仕掛けもなかなかいい趣向なんですが、それに劇団ひとりが仕掛けたアドリブの壮絶さは一見の価値有りです。独特の呼吸や随所のお遊びは、もととなっている『ゴッドタン』の空気を知っていないと充分には理解しにくいかも知れませんが、この試みは映画好きとしても肯定したい。相当にきついでしょうが、次にも期待したい――駄目ならヒム子どっきりでもいいぞ!

 鑑賞後は池袋駅東口から駅の中を通って西口へと移り、池袋シネマ・ロサへ。調べてみるとこっちも2009年以来でした。しかも、奇しくも前に観たのが今日の作品の前作だった、という。本日2本目は、こちらはフジテレビ系列にて深夜に散発的に放送され、熱狂的なファンを生み出して、都合2作の劇場版が製作されたシリーズの5年振り最新作、“脱洗脳”の様子を捉えながら封印された記録を再編集した、という体裁のフェイク・ドキュメンタリー放送禁止 劇場版 洗脳〜邪悪なる鉄のイメージ〜』(Pony Canyon配給)。これも過去作をすべて押さえているので、観逃せなかった1本です。奇しくもテレビ発信のシリーズ2本立て。

 初期はわざとらしい趣向も多かったんですが、5年を経て成熟し、それを芸風として吸収しきったようで、描き方が安定している。何より感心したのは、趣向に甘えることなく、それをうまく膨らませて繰り返し物語を反転させていること。実のところ、いちばん肝心の趣向は早い段階で察しがついたんですが、この見せ方には素直に感心しました。やりすぎて、あんまり深く掘り下げないタイプの観客には伝わりにくいんじゃないか、という仕掛けがあった(実際、退出時に聞こえてきた女の子たちの会話だと、大事なところが伝わってなかった)んですが、そこも“深読みする楽しみ”として評価出来る。5年の空白に飢えていたファンの期待には充分応えてます。

 ちなみに明日も映画館詣でです。もう、ほんとに、観たい映画溜まりすぎて……今週末のスケジュールが出てきたので調べてますが、どうやらまた1本取り漏らしてしまったようです。折り合いつけないと大変だ。

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