32kmは遠すぎる。

 きのうは何だかんだで出かけ損なってしまいましたが、今日までぼーっとして逃すわけにはいかない。今回の目的地は渋谷、このところ映画鑑賞の際、自転車で出かけるのは日本橋が中心、六本木へも時々しか足を運ばないので、だいぶ鈍っている感があったので、己に鞭打つべく自転車を利用することにしました。ただし、万一のことを考慮して、少し早めに家を出発。

 久々だからちょっと時間がかかるかも、と思ったんですが、実際に漕いでみたら、以前より早いくらいの時間で到着。想定していたより家を出るのが遅れたので、結果的に劇場が開場するぴったりのタイミングでした。

 ……ただ、訪れたのがシアター・イメージフォーラムだったんですが、こんなに手際が悪いとは思いませんでした。確かに施設の規模が小さく、チケットカウンターにひとりしか入れない、という不利はあれど、だったら新作が封切られる土曜日ぐらいはもっと慣れたひとを置いて欲しい。列の進みは遅いし、間違った作品のチケットを発行するなんてことまでしている。しかも、チケット以外の販売物も一緒に同じレジで扱ってしまっているので、こちらが劇場で飲み物を買いたくても、またいちいち列に着かねばならない。混雑しているときは飲み物やグッズの販売を別に出来るようにする、とかいくらでも工夫が出来そうなものなのに。かと思うと、自転車の駐め場所を変えるためにいちど劇場を出てから中に入った際、誰もチェックしていなかったり、そもそも人員自体がイ足りていない様子さえある。いくらミニシアターとはいえ、あちこちが雑すぎます。

 気を取り直して鑑賞した映画は、アルノー・デプレシャン監督&マチュー・アマルリック主演のコンビにベニチオ・デル・トロが加わり、実在した民族精神医学の権威ジョルジュ・ドゥヴルーの文献をベースに、風変わりな人類学者と心を病んだネイティヴ・アメリカンの面談を穏やかに描くジミーとジョルジュ 心の欠片を探して』(コピアポア・フィルム配給)

 派手な事件や大きな展開はなく、人類学者とネイティヴ・アメリカン(時代的背景を鑑みて、作中では“インディアン”の呼称を用いてますが)のセッションの様子を、周辺の事情と共に静かに綴っているだけなのですが不思議と惹かれます。夢分析の手法には未だに色々と議論されているのですが、決めつけることなく、夢の内容とその過程の会話を通して相手の本質を見極めていく、というスタイルで“心の傷”を探り出す手法に説得力があります。そしてそこに力を与えているのが、メインとなるふたりの名優。マチュー・アマルリックも素晴らしいんですが、やっぱりベニチオ・デル・トロの役者としての色気の重要さを強調せずにはいられない。昨年はオマケみたいな出演しかなかったので残念だったんですが、久々にファンとして満足させていただきました。

 鑑賞後、いつものも蕎麦屋にて昼食を摂ったあと、色々と悩んだあげく、寄り道をして初詣をしてきました。映画の、ではなく本当の初詣。

将門塚。

 いわゆる“将門の首塚”です。

 都市伝説で有名なところではありますが、それだけしっかりと祀られている、という意味でもあり、ちゃんとお参りすれば問題がないのは解っている。銀座や六本木方面に向かうとき、だいたい近くを通っているため、いちどちゃんとお参りしておきたい、というのもあって、今日は思い切って立ち寄ってみました。

 ビルとビルの狭間にある、本当に狭い場所なんですが、しっかりと管理されているのが解る。土曜日とはいえ基本的にはオフィス街に位置するというのに、ひっきりなしに人が訪れているあたりにも、その知名度や信奉者の多さが窺えます。

 お参りを済ませたあと、どうせ将門塚で参ったのなら、身体のほうが祀られているという神田明神もお参りしておくべきだろう、と思い、こちらも移動経路からほど近いところにあるので、前まで行ってみたんですが――やっぱり将門塚とは事情が違う。三が日ほどではないのでしょうが結構な人出で、自転車を駐めるところも見当たらない。平日に出直すことにして、帰宅しました。

 ちょっとだけお土産も買って家に辿り着き、スマートフォンで記録している移動距離を確認してみたら、1日で32kmも走ってました……そりゃあ疲れるわけだ。もう思考能力も失われてきたので、今日はそろそろ休みます……。

コメント

タイトルとURLをコピーしました