ジョン・ボイエガで貞子を挟む。。

 昨年末に発行したフリーパスの期限日です。作業がなかなか片付かず、あんまり本数をこなせなかったので、最終日くらいは盛大に観倒してやる、と朝から新宿へ。バイクで行くと、場所によってはけっこう料金が嵩んでしまうくらい居座る予定なので、今日も電車にて移動です。

 訪れたのはTOHOシネマズ新宿。とりあえず今日1日で観る作品のチケットをすべて確保し、まず最初に鑑賞したのは、『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督が1967年のデトロイトでの暴動を背景として起きたアルジェ・モーテル事件をドキュメンタリー的タッチで映画化したデトロイト』(LONGRIDE配給)

 てっきり暴動のプロセスを描いているのかと思いきや、そのなかで発生した酷い事件を扱ったものでした。確かに火種はあった、けれどそれがとあるモーテルで突如として爆発する様を、ビグロー監督らしい異様な緊張感で描き出す。如何せん登場人物が多すぎる上に、ドキュメンタリー風にカメラをよく揺らすので、人物関係が把握しづらいのがネック。ただ、そのまんまでも戦慄は伝わる、完成度の高いドラマでした。

 鑑賞後はネットカフェで昼食を摂りつつひと休み、それからふたたびTOHOシネマズ新宿に戻って鑑賞した本日2本目は、世界的に影響を与えた日本産ホラーの金字塔『リング』、そのリメイク・シリーズの久々となる第3作ザ・リング/リバース』(KADOKAWA配給)。当初、2本目には別の作品を考えてたんですが、3本目と5分くらい上映時間が被っているとフリーパスでは確保出来ないらしいので、第2候補として考えていたこちらに切替。

 貞子、もといサマラを“モンスター”にするのでなく、ちゃんとルールに則った“呪い”としてそこから逃れようとする、原作の持っていた謎解きにも似た興趣を織り込んだ内容となっていることは好感が持てる、のですが、その結果、あんまし怖くなくなってしまったのはさすがにマズい。ドキッとする場面はいくつかありますが、ホラーお馴染みの虚仮威しばっかりなんだもの。映像の雰囲気はいいですし、意欲は買いたいんですが、正直いまいち。

 少し間を空けて3本目、これこそが今日の本命です――シリーズ待望のエピソード8、スター・ウォーズ/最後のジェダイ(字幕・3D・IMAX)』(Walt Disney Japan配給)。色々と目処が立ってから、是が非でもIMAX版で観るつもりでいたのです――まだやってて良かった……。

 かなり賛否が分かれている印象ですが、私はとても高く買う。ジョージ・ルーカスによる新旧3部作は同じシチュエーションを反復させることで神話的な世界観を構築していましたが、新シリーズはこの第2作にして、スター・ウォーズの世界を次の段階に導きはじめた。根底の精神は引き継ぎつつも、何度も迷い、懊悩し、交錯しながら未来に託そうとする人々が重層的に描かれて非常にドラマティックです。チューバッカと原生生物のやり取りとか、細かなユーモアも鏤める呼吸も堂々たるもので、実のところこれこそ“スター・ウォーズ”というシリーズの理想型なのかも知れません。まだエピソード9が完成する前から、その次に来る新たな3部作の舵取りに本篇のライアン・ジョンソン監督が抜擢されたのも宜なるかな

 ……というわけで、3本立てで堪能してきました。当初は4本立てにしたかったんですけど、あまりに朝が早すぎて、目覚ましも効かなかったのです。しかし内容が濃すぎたので、3本で充分でした……。

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