本日の見出し

ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

ミスティック・リバー 特別版 〈2枚組〉 [DVD]

Clint Eastwood - Mystic River - Theme from Mystic River

 本日のBGVは、クリント・イーストウッド監督2003年の作品、ショーン・ペンティム・ロビンスにオスカーを齎した悲痛なドラマ『ミスティック・リバー』でした。ちゃんと原作を読んだうえで劇場で鑑賞し、完璧な再現性と優れたドラマ性に痺れて、DVDを発売即購入したのに、それで納得してしまってずっと封すら開けてませんでした……ちょうど久々に観たくなったので、何と発売4年近くを経過して初めて開封しました。

 何せこの翌年に畢生の大傑作『ミリオンダラー・ベイビー』があるのと、後味が悪い、と言うほかない結末のためにどうも正しく評価されていないきらいがありますが、これもやっぱり傑作だと改めて思います。幼少のころの事件を境に道の分かれた三人の男が、ある事件を契機にふたたび接近する。そして訪れる、あまりに沈痛な宿命の出来事。いい話だったねー、という筋では残らない強烈な余韻が秀逸なのです。それを整理して更に純化させてしまった『ミリオン〜』には一歩譲るとしても、これもまた映画史に残る作品でした。ていうかクリント・イーストウッドは本編を契機に『ミリオン〜』を作りあげ、更にその次にあの硫黄島二部作を撮っている。神憑りすぎだ。今にして思うと本篇に先駆ける『ブラッド・ワーク』の娯楽志向とそこはかとない緩さが可愛らしくさえ映るほどに。

 で、見出しにしたのはこれのメイン・テーマです。もともとジャズ愛好家で自らも演奏するイーストウッドはこれ以降すべて自ら音楽も手懸けているのですが、この辺は主題がちょっと単純すぎるのが玉に瑕です。とはいえ、飾り気を最小限に留めた旋律を、情感豊かにアレンジしたエンドロールの1曲はさすがにかなり沁みるのです。

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