『天保異聞 妖奇士』説十二 駁竜、月に吠える

 日光を間近にして、妖夷たちと絶え間ない戦いに忙殺される竜導たち。奇士の頭取・小笠原は鳥居配下の本庄に対して仇討ちを仕掛ける旧友・加納を斬れと命じられ、他方本庄らは謎の組織によって、蒐集していた殺生石の欠片を奪われてしまう……

 頼 む か ら 整 理 し て く れ 。

 もういったい何の話なのか訳解りません。竜導は何と戦っているのか小笠原はその傍らで何やっているのかだいたい本庄はなんでそんなもんを集めていてあっさり奪われてるんだしまいには怪獣大戦争かよおい?! 事態が把握できないままに勝手に一段落してしまった、という印象。何を感じたらいいのかも解りません。

 しかも前回の予告でちらっと見せた宰蔵の漫画泣きは、シリアスな台詞と合わせられたために浮いていました。今回は視聴者同様に事態の流れがまったく把握できていない趣の宰蔵は終始あんな感じの、間の抜けた表情がクローズアップされていましたが、絵的には可愛くても話にはしっくり来ないことこの上ない。その一方、何が起きても泰然として、ふつーに竜導を心配しているアトルの正統派ヒロインっぷりが怖くさえ見えました。

 どうも今回はいつもより更に焦点がボケてしまったように思えました。いっそシュールで面白かった、という気もするんですけど。

 しかし今回よりも、私は次回が楽しみです。これだけ変なモノを出しまくっているなら触れずにいられるはずもない、河鍋暁斎登場。当時は暁斎号じゃなかったというツッコミは今のうちから封印しておこう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました