オスカーを制したオタク監督の原点。

 午前中は、4ヶ月ぶりの眼科受診。最後に手術を受けてだいぶ経ちますが、持病との兼ね合いで定期的な経過観察が必要なので、自覚症状が特になくとも、きちんと通わねばなりません。
 そんなつもりもなかったのに、やたらと早く目が醒めてしまい、どーせ早く出かけなきゃならないんだから、とそのまま起床、だいぶ余裕を取って通院。診察前に視力検査を受けたうえ、瞳孔を開くための目薬が効くのを待たねばならないので、そこそこ時間はかかるのですが、問題がなければ診察はあっという間に済む。この目薬の影響で、自転車やバイクも使えませんから、移動は徒歩だったんですが、それでも10時までには家に帰りついてしまった。
 ……が、瞳孔が開いてて、光が目に辛い状況なので、出かけることはおろか、モニターを睨み続けることも出来ない。しばらく紙の本を読んだりして時間を潰したものの、早起きしたせいもあって空腹と眠気が順繰りに襲ってきたため、11時半には昼食を摂り、12時半には仮眠を取ってしまいました。

 夕方頃には目薬の効果も抜けてきた。とはいえここから出かけるのもアレなので、本日は配信にて映画を鑑賞することに。
 ――というあたりまでは心積もりを決めてたんですが、肝心の「何を観るか」を決めてなかった。決めるのに手間取ると、観終わる時間が遅くなってしまうので、Amazon Prime Videoを直感で漁ることに。幸い、これ、というものに、わりと早く辿り着きました。
 選んだのは、『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞に輝いたギレルモ・デル・トロ監督の初監督長篇、不死をもたらす装置がもたらすドラマを描いた幻想ホラー『クロノス〈HDリマスター版〉』(ONLY HEARTS Co, Ltd.初公開時配給)
 初監督作にして既にデル・トロ監督節が完成されてる。装飾過多で空想的な美術、随所を彩るグロテスクで血腥いモチーフ。クリーチャーに対する敬愛や物悲しい眼差しに、その対極にいる人間の醜さ。
 初めての長篇であるが故にか、モチーフの整理は雑で語り口も荒々しく、まだ洗練されていない。ただそれだけに、デル・トロ監督がどんなものを理想として自身の作品世界を構築しようとしていたか、が剥き出しで伝わる、いまだからこそより興味深い作品。
 ……しかし、中盤以降の残酷な描写よりも、序盤に“予兆”として描かれる虫のほうが、個人的には怖気を震いました。やだよあんなところにあれがいっぱい詰まってるところ想像したら……。

コメント

  1. […] 原題:“La Invencion de Cronos” / 英題:“Cronos” / 監督&脚本:ギレルモ・デル・トロ /  […]

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