今年は完全に無理っぽい。

 ここ数年、夏のこの時期はソワソワしてたり慌ただしかったり、というのが常でした。理由は、島根県松江市で催される《松江怪喜宴》が近づく頃合いだから。
 松江観光大使となった木原浩勝氏が小泉八雲から数えて四代目の小泉凡氏と対談する《松江怪談談義》および、現・磯野波平役の茶風林氏が座長となって催している《怪し会》改め《酒林堂》を週末に相次いで実施するのをまとめてつけた呼称で、木原氏の《新耳袋トークライブ》常連としていつか行かねば、と考え2016年に突撃、それ以来、毎年の習慣になりつつありました。イベント自体も楽しいのですが、松江周辺がけっこう居心地がいいのです。あっちこっち巡りたいあまり、けっこうギリギリのスケジュールでうろついてヘロヘロになるのもまた一興。
 しかし今年はご存じの通り、COVID-19のために各種イベントは実施が困難になっている。映画館は座席を半減させて再開、コンサートや演劇も現地での物販を取りやめる、可能なところはより大きい小屋を使うなどして観客同士の距離を保ち、どうにか開催に漕ぎ着けるようになってきましたが、我らが《松江怪喜宴》はこの時点で何ら音沙汰なし。
 まあ、どう考えても無理なのです。《松江怪談談義》は松江歴史館という施設の畳敷きになった広間のようなスペースで催されるのですが、ここで距離を保つ、なんて配慮してたら収容人数がとんでもなく絞られてしまう。一方の《酒林堂》は、お寺にてお酒とおつまみを嗜みつつ声優たちの朗読に浸る、という趣旨。もともとそれほど広くないスペースに人を詰め込むスタイルでしか実施できず、そこで更に飲食もするわけですから、COVID-19の感染経路を考慮すれば現状危なっかしくて開催は難しい。
 そう察しながらも、万一を期待して待ち続けていましたが、さすがにこの時期になって告知がないのですから、もう諦めるべきでしょう――むしろ、まだ諦めてなかったのか、と自分でも思いますが。
 なんとなく習慣化しつつあったので、出雲大社や松江周辺の観光施設、特に妖怪がテーマの特別展示をやってるらしい小泉八雲記念館ぐらいは訪れてこようかしら……とも思ったのですが、世間的にも、私自身にもそこまで余裕はなさそう。とりあえず年内はもう諦めよう。

 ただ、もし年明け以降、どこかで落ち着くことがあれば、例年初秋あたりに催される《松江怪喜宴》のまえにいちど訪問したい、とは思っている。何せ、イベント中心で行動してましたから、どーしても時間制限が生じてしまい、あまり遠出が出来ない、したとしても無茶苦茶時間がタイトになりがちで、毎年多少の心残りがあったのです。美保関とか八重垣神社とか、まだまだ行ってみたいところは残ってるし。
 ……なんて書いてたら行きたくなってきたが。

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