夜間撮影モードが多すぎる。[レンタルDVD鑑賞日記その752]

 2020年12月リリースの『心霊闇動画50』を鑑賞。恋人の実家の近くにある桜並木で遭遇した怪異“季節外れの桜並木”、暴力団の事務所から発見された不気味な映像“墓穴”、友人とふたりで探索しに行った廃墟での異様な体験を記録した“廃墟の人形”など、全6篇を収録。
 正直、このシリーズが50巻まで続くとは思ってませんでした。この手のシリーズでも異例の早さで節目に達したのですが、そんなことまったく意識していないみたいに、いつも通りの出来映え。1巻丸まる繋がる連作にするとか、やたら凝りまくった検証をする、とかいった特別感は皆無。ある意味清々しい。
 そんな感じなので、内容は概ねお察しで、ハードルをあまり高く設けなければ充分楽しめるのですが、ちょっと難癖を付けるなら、“夜の映像が多すぎる”という点。暗視モードが前提になり、映像の色数が搾られるので、加工しやすく違和感を生じにくい、というメリットが透け見えてしまいます。解るので何本か入るのはしょうがない、と思うんですが、せめて1/3くらいにしてくれ。4/6は多いよさすがに。
 取材によってエピソードを加え、怖さを演出する手管も安定しているのですが、その掘り下げ方が雑なのも気になるところ。巻末の“廃墟の人形”は発生する現象に結びつくものと結びつかないものが入り乱れることで、却って違和感が薄れてますが、問題は“季節外れの桜並木”というエピソードです。現場についての証言者を探すくだりを演出補がダラダラ喋るくだりはそもそも不要、そうして引っ張り出された証言者が語る背後の事情がいまいちリアリティに欠ける。この証言者が語るとおりの背景だとすると、あの桜並木、樹齢が凄いことになるんですが、あの本数の桜並木を、移植も経て100年近く維持するのってなかなかの難事のはず。エピソードも含めて、もっと有名になっててもいいはずだぞ。語られるエピソード自体も、現象の源となる屍体が発見されるくだりがやたらと不自然だし。
 50本目だろうと、特別な趣向を用意する必要はない、とは思いますが、もーちょっと気合いを入れてクオリティを高めるくらいの努力は欲しかった。

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