徳丸より、もうひとりの演出補の方が有能なような。[レンタルDVD鑑賞日記その754]

 昨年3月リリースの『心霊~パンデミック~ フェイズ22』を鑑賞。心霊スポットとなった団地を訪ねた女性が遭遇した怪事“のぞかれたみらい”、廃墟探索を趣味とする男性が友人に記録をお披露目している際に起きた珍しい異変“はんしゃする”、実家で繰り返し聴いた物音と映り込んだ女性について投稿してきた男性を襲う恐怖を収めた前後篇“オープンリールの声”など、全6篇を収録。
 とにかく言行が腑に落ちないことの多いスタッフ・徳丸を観てるとイライラするので最近忌避しがちだったこのシリーズですが、本篇はなかなか面白かった……相変わらず、スタッフ同士のやり取りは不自然で不要なのですが、展開はユニーク。
 単品ものでなかなか面白いのは“はんしゃする”です。怪奇ドキュメンタリーでしばしば描かれるように、異様な映像が観る者に影響を及ぼすなら、こういう現象が記録されても不思議はない……ただまあ、さすがに出来すぎの感も否めませんが。
 前後篇で描く“オープンリールの声”は、調査の過程がなかなか楽しい。相変わらず、途中に挟まれるスタッフのやり取りにまったく頷けなかったり、取材対象の証言やスタッフのカメラが記録する現象にもーひとつリアリティを欠いてたりしますが、見せ方は悪くない。この終わり方をすると、《次回に続く》になってしまいますが、このシリーズはスタート当初からあえて話をぶった切って不穏な余韻を残すのが常套手段なので、このまんま放置しても不思議ではない。
 ……とはいえ、今回のはこれまでと違い、ほったらかしでは視聴者は納得しにくい。果たして次巻でちゃんと決着してくれるのか、しなくても引き継ぐくらいはしてくれるのか? いずれにせよ、久しぶりに「次も観るか」と思わされた巻でした。それだけでも最近のなかではだいぶまし。

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