『史上最強の弟子 ケンイチ』第三十八撃 かわいい子猫 女たちの肉弾戦!

 約束通りにトールがラグナレクを抜けて、拳豪は5人にまで減った。加えて、残っているキサラまでが新白連合を評価するようなことを口にしており、ロキらは警戒を強める。そんななか、兼一と美羽は、キサラが捨て猫を可愛がっている現場に遭遇、思わぬ形で交流を深めていた。その様子を見たフレイヤの側近たちは内通と誤解し、キサラを襲撃する……

 作画の印象は決して悪くないんですが、どうも状況に対する配慮が足りなかったり、動きのバランスが悪かったりで微妙。たぶんセル画単位で見たら悪くはない作画も多いんだけどなあ。癖のある絵ですが、動きが大きいので見応えはあり、それだけに勿体ない。

 話のほうは、戦い以外の形でパワーバランスが崩壊していくラグナレクの構図を明確にしており、解り易くも配慮を感じさせるエピソード。原作通りとはいえ、守るべきラインを押さえていることは評価できます。この作品では珍しい女の子同士の戦いは、筋肉よりもしなやかさ優先という雰囲気で、シリーズの中では異彩を放ってます。

 まあ、このシリーズでは比較的まともなほうの出来だと思いつつ……しかし次回に続く、なのがちょっと不安。エピソードごとで担当スタッフを分散すればいいものを、このシリーズは馬鹿正直に1話ごとで割り振っているようで、そのせいで続き話なのに毎回雰囲気が違っているのがネックです。予告を見る限りでは、そこそこ絵の質は高いものの、今回とタッチがまるで別。けっきょく、全体を通してのバランスを考慮できないのがこのシリーズ最大のネックのような気がします。

 ……それにしても、よく考えたらグループ名がワルキューレで、その出身者で拳豪になったキサラのふたつ名がヴァルキリーって、かなり変だよな……もうあんまりいい名前の神様がいなかったにしても。そもそも他がほとんど神様なのにひとりだけ人間出身のジークフリートがいるのもどうかという話だが。

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