『イノセント・ラヴ』第九話

 不意打ちで週刊誌に掲載された記事を契機に、佳音はとうとう記憶を蘇らせる。自分は父親の虐待を受けていた。そしてあの夜、佳音はベッドの中でナイフを携えて、父を待ち受けていたのだ。自らの業の深さに、殉也の傍にいられないと悟った佳音は彼のもとを去り、郷里である長野に舞い戻る。殉也は美月の妨害を受けながらも、佳音を追って長野に赴いた……

 うーん、何だか同じところをぐるぐる回っている気分。解り易すぎる佳音の過去まわりで、細かい部分を巧みに伏せて意外な展開を繰り返そうとする意欲は解るのですが、けっきょく元通り、という印象のほうが強まってしまっているような。

 前回の予告では美月がもっと暴れそうな様子だったのに、けっきょく全体ではあまり弾けきれなかったのも残念。その代わり、どうやら無自覚に火種を用意してくれたようですが。

 次週で最終回、のはずなのにいきなりそこまで進むか? と思ったら最後の最後にもうひと波瀾あるようです、当たり前ですが。そしてそのせいで確かに結末は読みづらくなってますが……なんか、途中のやり過ぎ、かつ物足りないという奇妙な印象が拭いきれないまま終わりそうな気がしてきました。

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