『エンター・ザ・ボイド』Twitterつぶやき試写会

 久々に試写会が当たったので、夕方から電車で六本木へ赴きました。今回は、以前話題となった『パラノーマル・アクティビティ』に倣って、ツイッターで応募を受け付けるスタイルのもの。それ故に、感想をツイッターでアップするほか、上映前のトークイベント中はリアルタイムでつぶやき可、という一風変わったお願いがされました。普段、公衆無線LANのないところではあまりネットに繋がない私ですが、今日はちょこっと利用。

 上映開始前のトークイベントに登壇したのは、作中ほんの少しだけ出演している、グラビアアイドルの松本さゆき。撮影は1日、使用されていたのは本当に数秒で、全体像も知らなかったそうですが、それだけに例えばギャスパー・ノエ監督の印象や撮影の手順など、話題が絞られているので却って伝わりやすかったように思います。しかしああいうのを現場で、スピード重視でツイートしようとすると、どうしてもつぶやきというよりただのツッコミになります。松本さゆき嬢は自らの出演シーンにて、ナンパのように言い寄ってくる主人公を適当にあしらって、と監督から演出されたそうですが、その様子を司会が「ツンデレですね」と表現した瞬間、即座に「それはツンデレじゃねえ」と突っこんでました。冷淡とツンデレは別物じゃ。

 そして本篇へ。エンター・ザ・ボイド』(Comstock Group・配給)はフランス映画界の異才ギャスパー・ノエ監督が、衝撃作『アレックス』以来7年振りに発表した、日本を舞台とした実験的作品です。歌舞伎町に暮らしドラッグの売買で生計を立てていた青年が、ある出来事をきっかけに命を落とし、魂だけで彷徨い、妹や友人のその後の行動を見届ける、というもの。

 全篇これ実験的映像、という感じです。ドラッグ使用者の見ている映像や、死後、空を飛んでいる状態での視界など、アイディア自体は決して特異ではないのですが、それを全篇にわたってやっている時点ですごい。話の内容は至ってシンプル、そこに決して深甚な意味を籠めようとしているふうには見えないのですが、それ故に色々な捉え方がある。ストーリーの完成度や独自性を求める人にはかなり物足りないでしょうが、そこに拘らず映像表現を楽しむ方の映画好きなら一見の価値有りの異色作です。ちなみに、日本の描写にはほとんど引っ掛かるところがなかったので、その点はご安心を。

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