新耳袋トークライブ88、のついでに映画を1本。

『新耳袋殴り込み 発狂の島』に頂戴したサイン。 昨晩、取り急ぎ更新を済ませ、食事をしたあと、電車にて新宿へ。今年最後となる新耳袋トークライブを鑑賞してくるため、ですが、折角なのでその前に映画を観てくることに。

 訪れたのは約5ヶ月ぶりの新宿ピカデリー。ここで発行しているポイントカードは半年利用がないとリセットされてしまうので、今回観るものがあったのを幸い、延命させる狙いも含めて観に来たわけです――利用できるまで貯めるにはいったい何ヶ月かかることか解らないんですけど。

 鑑賞したのは、『ショコラ』のラッセ・ハルストレム監督と『スラムドッグ$ミリオネア』のサイモン・ビューフォイ脚本、ユアン・マクレガー主演の作品、突飛なプロジェクトが生み出す人間模様をコメディ・タッチで描いた砂漠でサーモン・フィッシング』(GAGA配給)。スタッフの豪華さと題材の奇想天外さゆえに気になっていた作品でしたが、実はこれ、今年のゴールデン・グローブ賞にノミネートされていて、ますます観逃すわけにはいかなくなったのです。

 鑑賞して納得、非常にテンポがよく、苦くも心地好い喜劇に仕上がっている。みんな大真面目で、無理難題にひたすら頭を悩ませていますが、そのさまが実に愉しい。真面目一本槍の男の可笑しさを巧みに演じたユアンが素晴らしいのは無論、この作品にいちばん貢献しているのは、政府、ひいては首相の好感度アップしか頭にない広報官を演じたクリスティン・スコット・トーマスだと思う。私は大好きです、これ。

 鑑賞後は素速くライブの会場へ。今回、チケット発売日をチェックし忘れたせいで、整理番号がちょっと後ろになってしまったのですが、単身の訪問なので、けっこう前のほうの席を確保することに成功しました……でももたれるところと机がないのはちょっと辛いので、次回はきちんと発売日に購入しよう。

 イベント序盤はいつも通り宣伝から始まります――が、今回、これが来るとは、数日前まで予想してませんでした。当初、劇場版の公開に合わせて刊行されるはずが、遅れに遅れ、版元である洋泉社の公式サイトにもなかなか情報が出ず、「こりゃ今年は駄目かも」と諦めきっていたところへ、著者がツイッターにて書影をアップ、年の瀬も押し詰まった21日の刊行が発表された、『新耳袋殴り込み 発狂の島』です。

 第1部は、著者であるギンティ小林氏に、劇場版の監督・青木勝紀氏も登壇しての説明……というか、遅れた言い訳に終始。しかし、色々仰言ってましたが、要は「今回はスランプだった」に要約できそうな。それでも何とか年内に間に合わせるべく、相当苦心惨憺されたようです。私はとにかく愉しみにしていたので、発売日が21日と知りつつも、もしかしたらちょこっと販売があるかも、とほのかな期待をしていたら、本来著者の見本として納入されるはずの10冊を限定販売する、とのこと。壇上の著者とジャンケンをして、勝った10人のみが権利を得られることになりました。たとえ著者や木原浩勝氏が出来映えを危惧しようと、それも承知の上で愉しみにしていた私としてはこの機会を逃すことなど考えられず、いっつも負けるくせに今回もジャンケンに参加――珍しいことに、最後の最後で勝ち残ってしまいました。で、休憩時間に購入し、その場でギンティ氏に頂戴したサインが上の写真、というわけ。……いちおう書き手の端くれでもある私は、どーしようもなく筆が進まない苦しみも知っているので、謝ってもらう必要はなかったんですけど。生活の心配はちょっとしてましたが。

 第2部は、劇場版公開に先駆けてニコ生で行われた、殴り込み実況中継の際に記録された奇妙な現象を抽出したものを流し、ギンティ氏と青木氏、遅れて登壇した後藤剛氏が解説。私はこの生中継、リアルタイムで観ていたので、ずーっと気になっていたのです。やっぱり幾つか奇妙な現象がきちんと記録されていて、2時間足らずながら実に効率的な突撃取材だった、と判明。現状、発表の予定はないそうですが、もしかしたら次の映像版に特典として収録されるかも。どーしても観たい方はKING ROECORDSに要望を出してみましょう。

 第3部は木原氏単独で怪談尽くし。今年は『九十九怪談』の連載がスタートした都合で、取材したはしから文章化しており、取材は絶えず行っているけれど決してネタはふんだんではなかったようですが、それでもさすがに木原氏、5時半まできっちり持たせてしまいました。ただ、最後で順番を間違えて、折角のいい怪談の余韻がぬるーくなってしまったのがちと残念。個人的には、あの話で終わらせなくて良かった、とは思うんですが、それでももうちょっと前にするべきだった気はする。

 ともあれ、これで2012年の新耳袋トークライブは終了。私自身、今年はもう他に予定がないので、最後のイベントとなるはず。最後の最後で微妙に緩い感じになりましたが、でもそのくらいがちょうどいいのです。

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